
梅雨明け後すぐは安定した天気が続きやすいため「梅雨明け十日」と呼ばれています。3連休は太平洋高気圧の張り出しが強く梅雨明け十日らしい天気になって、広い範囲で登山日和が期待できそうです。ただし上空の高いところに小さな寒気の渦が接近し、夕立が発生しやすい地域もある予想です。天気の変化に注意してください。
衛星画像 関東甲信・北陸・東北南部が一斉に梅雨明け
まず雲の様子を見てみましょう。
太平洋高気圧が日本の東にあって、徐々に張り出しを強めてきています。高気圧の晴天域に入ったため、関東甲信、北陸、東北南部で一斉に梅雨明けしたとみられると発表されました。梅雨前線は朝鮮半島付近から宗谷海峡付近にかけて停滞していて、すでに梅雨明けしたはずの西日本で雨脚が強まっているところがありますが、このあと太平洋高気圧がさらに張り出しを強めることで、西日本は「第二の梅雨明け」を迎えるといってもいいと思います。台風6号は西よりの進路をとって、本州付近への影響はない見込みです。
梅雨明けに関連する言葉に「梅雨明け十日」というものがあります。梅雨明け直後の10日間は太平洋高気圧にしっかり覆われるため安定して晴れる日が多いという意味で、太平洋高気圧が膨らんだりしぼんだりする周期が1週間から10日ぐらいなのでこのように言うようになったというのが主な理由ですが、気象庁が梅雨明けを発表する際に、週間予報やその先の予報を参考にしているため梅雨明け直後が最も晴天が続きやすいというカラクリがあります。いずれにしても昔から行楽に適した時期とされ、登山もおすすめできる期間です。
予想天気図 太平洋高気圧に覆われるが、上空には寒気の渦も
予想天気図を詳しく見てみましょう。
19日(土)は太平洋高気圧の本州付近への張り出しがさらに強まります。一方、梅雨前線が北海道の北に停滞するでしょう。北海道は前線や湿った空気の影響を受けやすく、雨の強まるところがある予想です。特に山岳地帯では雨量が多くなるおそれがあるため、沢の増水に気を付ける必要があります。標高が高い山では西風も強まってシビアなコンディションでしょう。湿った空気は太平洋高気圧の縁辺に沿って吹いており、四国や九州では太平洋側の山ほど雨が降りやすい見通しです。
一方、東北から中国地方にかけてはおおむね晴れて、登山日和となる山岳が多い見込みです。ただし、上空高いところにある小さな寒気の渦が日本の東から近づいてくる予想になっており、東日本の山を中心に午後は大気の状態が不安定になって雨雲が発生する可能性があります。天気の変化に注意してください。
20日(日)も気圧配置の変化は少なく、登山日和が続く山岳が多い見込みです。19日以上に気温が上がりやすいので熱中症に注意してください。また上空の寒気の渦に伴って、北日本から東日本の山岳では午後は雨や雷雨となるところがあるため注意してください。北海道は引き続き湿った空気の影響を受けやすいため雨が降りやすく、標高が高い山では風も強まるでしょう。四国や九州でも山地では曇りや雨の天気が続く予想です。
21日(月)は上空の寒気の渦が本州に接近し、大気の状態が不安定になる地域が広がる予想です。晴れる山岳が多いですが、午後はところどころで雷雲が発生する可能性があるので、天気の急変に注意が必要です。
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