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大成建設は7月18日、最高時速60kmで走る電気自動車に対して、次世代道路による最大出力10kWの連続無線給電に成功したと発表した。同社はこの結果について「EVの長距離・連続走行が可能となり、無線給電道路の実用化と高速道路への本格的な適用に向けた取り組みを加速できる」と期待を示した。
大成建設では次世代道路「T-iPower Road」の開発を進めている。これは、道路に埋めた送電電極から走行中のEVに無線給電する「電界結合方式」の技術を実用化するためのもの。これまで国内の実証実験では、最高時速20km程度の速度での無線給電にとどまっており、より高速で走るEVへの無線給電の実現が課題となっていた。
今回大成建設では、新設した舗装のテストトラック(1周約900m)の直線区間に、電界結合方式による延長20mの無線給電道路を施工。時速0〜60kmのEVに対して、最大出力10kWの連続無線給電を国内で初めて実施し、この技術の高速道路への適用可能性を実証した。主な実証項目は下記の3点だ。
1. 高速走行中のEVへの連続無線給電状況
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2. 無線給電道路の施工性や維持管理のしやすさ
3. 高速道路への適用が可能な舗装構造
(1)の検証では、最高時速60kmで走る車両に連続無線給電を行った場合の伝送効率は平均66%(最大71%)という結果に。道路側からの最大10kWの送電出力に対して、EV側では6〜7kWの電力を連続受電を確認した。
(2)については、無線給電道路の施工やメンテナンスは、従来とほぼ同じ施工法で対応できるという。また(3)に関しては、今回の無線給電道路では、故障や破損の可能性が極めて少ない部材で構成した送電電極と送電システムが道路の表層から100mm以上の深さに埋設する仕組みを取る。そのため、従来の高速道路と同様の交通量で、大型車両が走行可能な舗装構造を実現できるとしている。
今後も大成建設では、EVに対応可能な無線給電道路の実用化と高速道路への本格適用に向け、開発を進める。
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