予選でウエットタイヤを装着する7号車トヨタGR010ハイブリッド 2025WEC第6戦オースティン 9月6日、アメリカ・テキサス州オースティンのサーキット・オブ・ジ・アメリカ(COTA)で、WEC世界耐久選手権第6戦『ローンスター・ル・マン』の予選とハイパーポールが行われ、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)の2台のGR010ハイブリッドは、明暗が分かれる結果となった。
弱い雨によって路面コンディションが絶えず変化し、チームとドライバーにとって戦略的に難しさをもたらすなか、セバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮の8号車は、平川が予選アタックを担当。予選で10番手に入りハイパーポールへの進出を決め、その後のハイパーポールでは8番グリッドを獲得した。
一方、小林可夢偉、ホセ・マリア・ロペス、ニック・デ・フリースの7号車は可夢偉がアタックを担当したが、難しいコンディションの影響を受け、最下位となる18番手で予選を終えている。
■2台で分かれたタイヤ戦略
酷暑の走行初日から一転、この日は新たな課題が持ち上がった。午前中に行われたフリープラクティス3の序盤から小雨が降り始め、その後も断続的に続いたのだ。
15時からの予選も、路面が濡れた状態で行われることになった。なお、このセッションでは18台のハイパーカーのうち、トップ10台が2次予選の『ハイパーポール』へと進出できる。
可夢偉と平川はともにミディアムコンパウンドのスリックタイヤを装着してアタックへ。しかし、湿っていて温度の低い状況では、タイヤを温めることさえ難しい状態だった。
セッション中も小雨が降り続いたため可夢偉はピットインしウエットタイヤに交換。一方、スリックのまま走り続けた8号車の平川は着実にタイムを更新していき、最後のアタックラップの前には一時7番手まで浮上。その後、ライバル勢がタイムを上げてきたことで15番手まで落ちるも、ラストラップでさらにタイムを縮め、10番手でハイパーポール進出を決めた。
7号車の可夢偉は、ウエットタイヤへの交換が奏功せず、18番手となった。
ハイパーポールはわずかに路面が乾いた状況で開始され、8号車の平川は他の9台と同じくスリックタイヤでポールポジション争いに挑んだ。平川のベストタイムは最初のアタックラップで記録され、その後、終了間際に雨が強まったためタイムの更新は叶わなかった。
■小林可夢偉(チーム代表兼7号車ドライバー)
「残念ながら、予選は非常に不安定な路面コンディションとなりました。ライバルチーム同様、ウェットタイヤに交換してタイムアップを狙いましたが、うまくいかず、7号車はハイパーポールに進出することができませんでした」
「昨年、ここCOTAで力強い走りを見せているため、決勝では順位を挽回し、良い結果を期待しています」
■平川亮(8号車)
「天候が予想以上に不安定で、とても難しい一日でした。予選では終盤になんとか良いラップを刻むことができましたが、ハイパーポールはさらに難しいコンディションで、満足のいくタイムを出せず残念です」
「しかし、8番手グリッドは悪くない位置なので、決勝ではチャンスがあると思います。長く厳しいレースになると思いますが、ベストを尽くします」
[オートスポーツweb 2025年09月07日]