隣家からの怒号を音痴で撃退!母と娘が歌声響かせた、1週間の脱力戦記

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2025年09月09日 18:00  おたくま経済新聞

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隣家からの怒号を音痴で撃退!母と娘が歌声響かせた、1週間の脱力戦記

 隣家から毎晩のように聞こえてくる喧嘩の怒鳴り声。文句の1つでも言ってやりたくなりますが、平穏なご近所付き合いを続けていくなら、耐え忍ぶのが吉。いや、でも……。


 隣の家の喧嘩を聞きたくもないのに聞かされていたXユーザーの「きよきよ」さん。とある“奇策”によって事態を収束させました。


【その他の画像・さらに詳しい元の記事はこちら】


■ 隣家から毎晩のように聞こえてくる喧嘩&怒号を、母と娘が“音痴”で撃退

 きよきよさんがこのほどXに投稿したのは、下記の文章。


「隣家の老夫婦が娘とその子(孫)と同居するようになったんだけど毎晩爺ちゃんと孫で怒鳴り合いの喧嘩している。昭和の頃はこんな怒号もよくあったよなって思うが純粋に煩いし不快。なので喧嘩が始まるとサラ・ブライトマンの“タイム・トゥ・セイ・グッバイ”を娘と熱唱する事にして1週間。漸く静かになった」


 自分に関係のない喧嘩に首を突っ込むのは、余計なトラブルのもと。かといっていつまで続くかわからない怒号を我慢し続けるのも、それはそれで違います。


 どうすれば丸く収まるのかを考えた結果、きよきよさんがとった“奇策”は、歌声で怒号に打ち勝つというものでした。


 静観でもなく、直接対決でもなく、歌声。しかも選曲はサラ・ブライトマンの「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」。アンドレア・ボチェッリが1995年に発表した「君と旅立とう」を英語アレンジした、名曲です。


 美しい旋律と歌声で、喧嘩する気も起きなくさせてしまおう。なんて素敵で平和的な解決方法なのでしょう。


 と思いきや、きよきよさんは自身の投稿にセルフリプライでこう続けています。


「尚、私も娘もバチくそ音痴な事を追記しておく」


 美声、ではなかったようです。


 「戦意喪失させるには…と家族と話していて『タイム・トゥ・セイ・グッバイ』に至った」というきよきよさん。


 怒号という不快な音に不快に返すのはあまり前向きでは無いため、母と娘がお互いに持つ音痴という“特性”を活かすことを決めたそう。


 隣家の喧嘩を音痴によって鎮めるまでには、いったい何があったのか。きよきよさんの1週間の“戦い”について、詳しくお話をうかがってみました。



■ きっかけは夫からの一言「君の歌声は何だか色々な意味で脱力できるから」

―― きよきよさんが歌い出すまでは、隣家の喧嘩はどんな様子だったのでしょうか?


 怒鳴り声と罵り合いが毎晩夕飯時に聞こえてきて、初めのうちは70代の爺さんと小学校高学年の孫(男児)ですしすぐに終わるだろうと思ったら、喧嘩始めると長く、連日だったのです。


―― 連日それを聞かされるのは苦痛ですね……。


 喧嘩を聞かされる身として、口汚くお互いが罵り合うのが辛くなってしまい、家族でどうしたら止めるか?という話題になったんです。


 ピンポン押して『煩いです』と言ったらその後の関係性に禍根を残すしなぁ……と困っていたら、夫が『サラ・ブライトマンのタイム・トゥ・セイ・グッバイでも歌ったら?君の歌声は何だか色々な意味で脱力できるから。悩んだり怒るのがバカらしくなるんじゃない?』と。


―― 「色んな意味で脱力できるから」という表現が素敵ですね(笑) きよきよさんはどんな風に音痴なのでしょうか?


 私は声が低くて音域も狭く加えてとても音痴なのです(耳で聴いた音と同じ音が口から出ない。)残念なことに娘も私と同じく音痴なのですが、歌う事は親娘共好きなので笑いながらよく歌っていたのです。


―― 実際歌ってみてどうだったのでしょう?


 案の定調子っ外れな歌声と親娘の笑い声に相手が怯んだのか少し静かになったのでコレは使えるぞ……と。


 他の選曲も考えたのですが、喧嘩が始まると調子っ外れなタイム・トゥ・セイ・グッバイと言う流れが分かりやすくて良いかと思い他はあまり考えていませんが、お経なども良さそうとは思っております。


―― 隣家から喧嘩が聞こえてきてから、きよきよさん宅で歌い始めるまでに、流れや段取りのようなものはあるのでしょうか?


 特に段取りなどはなく、いずれも我が家の夕飯時や夕飯調理時に怒号が飛び交うので、おもむろに娘がサラ・ブライトマンを掛けて一緒に歌い始める……と言った感じです。


―― 現在では静かになったとのことですが、ある日ピタリと止んだ感じですか?


 多分、はじめは隣家から変な歌声が聞こえてきた……程度の認識で、そして思いの外生活音が聞こえると感じたのでは無いかと思います。明らかに怒鳴り声のボリュームが小さくなり、窓を閉めたりと変化がありました。


 3日目辺りで喧嘩が始まるとタイム・トゥ・セイ・グッバイ始まる?と気が付かれたかも知れません。4日目5日目も喧嘩→超絶音階のサラ・ブライトマン(「親娘ドルビーサラウンド」でのお届け)で察した様で、1週間で大声での喧嘩の声は聞こえなくなりました。


―― 親娘ドルビーサラウンド(笑) 歌うようになって以降、お隣さんとは何か交流はありましたか?


 交流は元々目が合えば会釈する程度なのでありませんが、多分これからもお互いそっけない付き合いをしていくのだと思います。


―― 隣家の喧嘩がやんだ現在の、きよきよさんの率直な心境をお聞かせください


 お互いを罵り合うのに『死ね』『クズ』『バカ』は小学生男児なら仕方ない語彙力だと思うのですが、爺さんがその喧嘩に激高しているのは残念な事だと思うのです。


 どんな理由があるにせよ、孫と同居するようになって(隣人はこの春、娘と孫と同居を開始させたばかり)家が賑やかになったのに、毎晩お互いを罵り合うのは一回ポッキリの人生においてとても無駄で無意味だと思うのです。


―― 毎晩お互い罵り合うのは無意味、間違いありませんね。


 特に祖父母は孫に厳しくした所で親の代わりにはならないので、寧ろ経験年数を活かして良き理解者たれ、賢者たれ、と思うのです。


 一度口から出た汚い言葉は無かったことには絶対にならないので、如何なる理由があったにせよ子供にあんな口汚い言葉を年配の肉親が使うべきでは無い……と言うのが私の持論です。


 同じ時間を親娘で楽しく笑って歌っている家庭もある。取り敢えずはコンプレックスだったこの音痴という『特性』が戦意喪失になったのなら音痴に生まれて良かったなとさえ思えます。


* * *


 音痴という特性を活かし、隣家とのトラブルを丸く収めることに成功したきよきよさん。


 歌で隣家の騒音を撃退、というのは似たようなトラブルに悩んでいる方にとって、1つ希望となる気がしています。


 もちろん自分自身が騒音の原因になってしまわないように気をつける必要はありますが、可能な限り穏便に事態を終息させるためには、歌は最適な手段かもしれませんね。


 美声だった場合はどうなるのかも、気になるところです。



<記事化協力>
「きよきよ@やれば出来る人」さん(@kiyokiyokingdom)


(ヨシクラミク)

Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By YoshikuraMiku | 記事元URL https://otakuma.net/archives/2025090908.html

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