麻生・旧茂木派「政権」鮮明=高市人事、論功行賞色濃く―「裏金」復権、野党が批判

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2025年10月07日 07:31  時事通信社

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自民党本部に入る麻生太郎最高顧問=6日、東京・永田町
 自民党の高市早苗総裁が進める「新政権」人事は、総裁選での貢献度を反映させた論功行賞が色濃い。麻生派と旧茂木派を要職に起用し、両派の影響力が強まるのが確実だ。旧安倍派の萩生田光一元政調会長も幹事長代行として表舞台に復帰する。萩生田氏ら派閥裏金事件に関与した議員の登用を、野党は強く批判している。

 高市氏は無派閥での活動が長く、党内人脈が弱いとされる。唯一存続する派閥である麻生派(43人)を率いる麻生太郎最高顧問を後ろ盾とすることは「政権」基盤を安定させるための必要条件となる。麻生氏は高市氏を支える副総裁に就く。

 4日の総裁選に勝利した高市氏は即座に麻生氏と面会。翌5日も党本部で会い、約1時間にわたって人事の調整を進めた。この場で麻生氏が求めた鈴木俊一総務会長(麻生派)の幹事長就任が内定した。高市氏に近いベテランは「麻生氏の意向は無視できない」と認めた。

 麻生派からは、総裁選で高市氏の推薦人となった有村治子両院議員総会長を総務会長に抜てき。党四役のうち2人が同派所属となる。

 総裁選の決選投票で麻生氏と足並みをそろえた旧茂木派からの登用も目立つ。茂木敏充前幹事長には「希望するポストに就ける」(高市氏周辺)と伝え、重要閣僚に起用する方針。政府のスポークスパーソンとなる官房長官も旧茂木派で、高市氏と思想信条が近い木原稔前防衛相を充てる。

 少数与党として野党との折衝を担う国対委員長となる梶山弘志元経済産業相も、茂木氏の側近だ。

 昨年の総裁選で麻生派などは決選投票で高市氏を支援し、石破茂首相に敗れた。石破政権で「非主流派」だった麻生派と旧茂木派が主流派に返り咲いた形だ。

 高市氏と距離を置く旧岸田派の重鎮は「バランスを取らないと党内はもたない」と不満顔だ。ただ、「勝ち組」は「勝利に貢献したので当然だ」(麻生派ベテラン)、「適材適所」(旧茂木派若手)と意に介していない。

 麻生派が牛耳る陣容について、共産党の小池晃書記局長は6日の記者会見で「第2次麻生政権の始まりだ」と皮肉った。

 高市氏は萩生田氏のほか、裏金事件に関与した議員のさらなる登用も検討しているとみられる。高市氏周辺は「党の処分、衆参両院選挙でみそぎは済ませた。説明すれば理解は得られる」と強気だ。

 「政治とカネ」の問題への批判は根強く、世論の理解が得られるかは不透明だ。立憲民主党の安住淳幹事長は6日、記者団に「裏金議員が復活して、昔の政治の悪い部分が戻ってくる。われわれは黙っていない」と手ぐすね引く。 

記者団の質問に答える立憲民主党の安住淳幹事長=6日、国会内
記者団の質問に答える立憲民主党の安住淳幹事長=6日、国会内

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  • 裏金オールスターズ萩生田って冗談にも程があるw
    • イイネ!4
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