米3氏にノーベル物理学賞=量子コンピューター技術に貢献

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2025年10月07日 19:31  時事通信社

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ノーベル物理学賞を米3氏に授与すると発表するスウェーデン王立科学アカデミー関係者ら=7日、ストックホルム(AFP時事)
 スウェーデン王立科学アカデミーは7日、2025年のノーベル物理学賞を、量子コンピューターの技術基盤となる「量子トンネル効果」に関する研究で成果を挙げた米カリフォルニア大サンタバーバラ校のジョン・マルティニス博士ら3人に授与すると発表した。

 受賞が決まったのは、ほかに同大バークレー校のジョン・クラーク博士、米イエール大のミシェル・デボレ博士。

 原子や電子のような微細な粒子を扱う量子力学の世界では、低いエネルギーの粒子でも、ある確率でより高いエネルギーの「壁」を擦り抜けることがあり、トンネル効果と呼ばれる。

 こうした現象をより大きなスケールで再現することは難しかったが、マルティニス博士らは1980年代、多数の粒子が一つの粒子のように振る舞う電子回路を使い実証に成功。「超伝導型」と呼ばれる量子コンピューターの技術へとつなげた。

 マルティニス博士は米グーグルに所属していた19年、最先端のスーパーコンピューターで約1万年かかる計算を、同社が開発した量子コンピューターを使い3分20秒ほどで解いたとする論文を発表。従来型コンピューターの能力をはるかに上回る「量子超越性」を初めて達成したとして話題になった。

 授賞式は12月10日にストックホルムで行われ、賞金1100万スウェーデンクローナ(約1億7600万円)は3等分で贈られる。 

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