高市氏「裏金」で板挟み=公明圧力、旧安倍派は反発

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2025年10月10日 07:31  時事通信社

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時事通信社

自民党本部に入る高市早苗総裁=9日午後、東京・永田町
 自民党の高市早苗総裁が、派閥裏金事件の真相解明を求める公明党と、震源地になった旧安倍派の板挟みになっている。連立政権の継続には、公明の要望を一定程度受け入れることが不可欠。一方で、党総裁選の勝利に貢献した旧安倍派もむげにはできないためだ。

 高市氏は9日、公明とパイプを持つ自民の菅義偉元首相を国会内の事務所に訪ねた。難航する連立協議について相談したとみられる。

 裏金事件を巡る自民の後ろ向きな姿勢に、公明はいら立ちを募らせている。同日の中央幹事会では、出席者から「『政治とカネ』の問題がクリアにならなかったら、連立解消もやむなしだ」との強硬論も出た。

 9月の裁判で、旧安倍派の政治資金パーティー収入の還流再開を求めたのは下村博文元政調会長だったと、派閥関係者が証言。同派有力者だった萩生田光一幹事長代行の元政策秘書は、8月に政治資金規正法違反(虚偽記載)罪で略式起訴された。

 裏金事件の余波はなおくすぶっているが、自民側に真相解明の動きは見えない。公明関係者は「政治とカネの問題で2回の国政選挙に惨敗した。何も説明しないでいいわけがない」と憤る。

 公明の反発が強い中、高市氏は今回の党役員人事で、萩生田氏を表舞台に復帰させた。旧安倍派中堅は「選挙も経て、裏金はもう終わった問題だ」と言い切る。派閥関係者も「幹事長代行になったぐらいで文句を言うのか」と強気だ。

 自民内では他にも、旧安倍派の裏金関係議員の起用が進む。政治資金収支報告書の不記載額が計58万円の山本順三元国家公安委員長が参院政審会長に就任。計306万円の佐藤啓参院議員を、高市氏は首相に就任した場合、官房副長官とする方向だ。

 党内基盤の弱い高市氏には、旧安倍派の議員を取り込むことで、自身の足場を固める狙いがある。ただ、その判断が公明との関係悪化を招いており、非主流派の党重鎮は「高市氏の人事が全ての原因だ」と突き放した。 

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  • 「支持率が下がるような写真しか出さねえぞ」という時事通信のカメラマンが出す高市早苗総裁の写真はどんなだろう、本当に支持率下がる写真出すのか時事通信、と時事通信の権力について検証中。
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