3連休の山の天気 紅葉がピークの山域拡大 北海道の山はすでに氷点下の世界

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2025年10月10日 18:24  日本気象協会

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日本気象協会

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今年は気象条件に恵まれて山岳紅葉の当たり年といわれています。見頃を迎えているエリアも徐々に広がっており、tenki.jpの『紅葉見頃情報』によると、「月山」「安達太良山」「栂池自然園」などがちょうど見頃を迎えており、「上高地」も色づきはじめとなっています。ただ、3連休は台風23号や秋雨前線の影響を受ける地域が多く、天気の変化に注意が必要です。

衛星画像 大陸から秋雨前線がにじり寄る

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気象衛星から見た雲の様子です。

八丈島に大きな被害をもたらした台風22号は偏西風に乗って日本のはるか東に離れつつあります。日本付近には北から高気圧が張り出していますが、高気圧の南縁には秋雨前線の雲が広がっており、日本海や東北地方にも前線に伴う雲がかかってきました。3連休も秋雨前線の影響を受ける地域が多い見通しです。一方、沖縄の東には台風23号があります。渦の中心と活発な積乱雲の位置が離れています。

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台風23号の進路の予想です。

台風23号は午後3時現在、中心気圧が1002hPa、中心付近では18m/sの強風が吹いています。きょう昼ごろまで渦の中心と活発な積乱雲がずれた状態となっていたため発達が抑えられていましたが、今後は海面水温が非常に高い海域を進むことから徐々に発達すると予想されています。11日(土)午後3時に奄美大島の東に達した後は偏西風に乗るため方向転換して本州の南を東に進み、12日(日)午後3時には紀伊半島の南、13日(月)午後3時には関東の東に進む予想です。本州や四国、九州に上陸する可能性は低くなりましたが、太平洋側の地域では台風周辺の周辺の湿った空気の影響を受けやすいでしょう。

予想天気図 標高1500mの0℃線が南下 北海道は冬の入り口

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予想天気図を使って、天気を細かく見ていきましょう。

11日(土)は、台風23号が奄美大島付近をゆっくり北上する予想です。西日本の太平洋側は雲が広がりやすく雨が降るところがあるでしょう。九州北部や中国地方では晴れたり曇ったりの見込みです。
東海地方から東北地方にかけては秋雨前線の影響を受けるでしょう。広い範囲で曇りや雨となりそうです。上空1500mで0℃の寒気は北海道止まりなので、アルプスなどで雪が降る可能性は低いものの、かなり冷え込むため気を付けてください。
北海道は高気圧に覆われて晴れるところが多いでしょう。ただ、上空1500mに0℃以下の寒気が流れ込んでいます。大雪山や利尻山ではすでに冠雪を観測しており凍結や積雪の可能性があるため十分な装備を準備してください。

12日(日)は、台風23号が本州の南を東に進む予想です。西日本の太平洋側では雲が広がりやすいでしょう。九州北部や中国地方では晴れる見込みですが、台風の進路によっては影響を受ける可能性もあるため最新の情報を確認してください。
東海地方から東北地方にかけては、曇りや雨でしょう。前線の影響で高山帯では西風が強まる可能性があります。気温も10℃未満と低く、体温を奪われやすいため低体温症に注意が必要です。
北海道は上空の気圧の谷の影響で雲が広がりやすく、局地的に降水があるでしょう。上空1500mの0℃線は若干北上しますが、標高の高い山では雪が降る可能性があります。

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13日(月)は、台風23号は本州の南を東へ進み、次第に日本の東に抜ける見込みです。一方、朝鮮半島付近には西から前線が延びてきます。
西日本は太平洋側を中心に晴れるところが多いでしょう。ただ、日本海側の大山では一時雨の予想となっています。
東日本は湿った空気の影響を受けて雲が広がりやすいでしょう。とくに日本海側の山岳には海から北風が吹き付けるため、雨が降りやすいでしょう。
北日本では西高東低の気圧配置となる見通しです。晴れるところが多いですが、北海道の山岳を中心に北風が強まるでしょう。
13日は台風23号の進路によって東日本と東北南部の天気が大きく変わる可能性があるため、最新の気象情報を確認してください。

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