自民逃げ切りか政権交代か=首相指名選挙、交錯する思惑

22

2025年10月12日 07:31  時事通信社

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

時事通信社

自民党本部に入る高市早苗総裁(左)=10日、東京・永田町
 公明党の連立離脱表明を受け、石破茂首相の後継を選ぶ首相指名選挙の行方が急速に不透明感を増している。立憲民主党、日本維新の会、国民民主党の3党がまとまれば自民党の高市早苗総裁の首相就任を阻み、政権交代が起きる可能性が出てきたためだ。20日か21日で調整が進む臨時国会召集をにらみ、各党の思惑が交錯している。

 首相指名選挙は1回目の投票で投票総数の過半数を得る候補がいない場合、上位2人による決選投票に進む。決選投票では多数を得た方が勝者となる。

 参院の議決に優越する衆院では、これまで与党が計220議席を占め、立民、維新、国民民主を足した210議席では及ばなかった。しかし、24議席を持つ公明の離脱表明で自民は196議席しか見込めなくなり、3党が決選投票で統一行動を取れば高市氏を上回る勢力図になった。

 立民(148議席)の野田佳彦代表は11日の東京MXテレビの番組で、「知恵を出して互いの違いを乗り越えて連携できれば政権交代ができる」と強調した。同党は昨年の衆院選後に野田氏への支持を要請して失敗した反省から、今回は国民民主の玉木雄一郎代表を統一候補とする案も含めて野党各党に打診し、結集を呼び掛ける。

 「候補者指名」を受けた形の玉木氏は「首相を務める覚悟はある」と意欲をにじませつつ、「一致しない安全保障(政策)を脇に置く甘えは許されない」と慎重姿勢を崩していない。維新の吉村洋文代表(大阪府知事)は「立民と国民民主がまとまるなら本気で話は聞く」と様子見ムードだ。

 立民は公明にも「中道路線で親和性がある」(野田氏)と秋波を送っている。3党に公明を加えれば過半数(233議席)を上回る234議席に達し、1回目の投票での決着も可能になるためだ。ただ、公明の斉藤鉄夫代表は「いきなり野党党首の名前を書くことはない」と否定的だ。

 自民も手をこまねいているわけにはいかない。公明の離脱表明前に連立拡大協議の「本命」とみられていた玉木氏は「(連立は)あんまり意味のない議論」と冷ややかな姿勢に転じたが、国民民主や維新に引き続き連携を呼び掛けるとみられる。

 「合従連衡」がいずれも奏功せず、野党各党がそれぞれ自党のトップに投票する形になれば、比較第1党である自民の高市氏が逃げ切ることになる。ただ、投票までの約10日間にさまざまな駆け引きが予想され、自民幹部は「いばらの道だ」と語った。 

このニュースに関するつぶやき

  • 少なくともオールドメディアの願望通りにはならないと思うよ。 支持率下げる思惑があってもね����ʴ򤷤����
    • イイネ!3
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(17件)

前日のランキングへ

ニュース設定