

つわりを言い訳にして、どうせ家でゴロゴロしているだけだろう……。さっさと仕事を辞めて無職になってしまったエミリに、俺はイラ立っていた。そんななかコウタの成績がダダ下がりしていることが判明した。俺の怒りは頂点に達した。

エミリが妊娠してからは食事も簡単なメニューばかりだし、掃除も行き届いていない。つらそうに横になるたび、大ゲサだなと思って呆れていた。同僚の嫁さんは子どもが3人いて、しっかりフルタイムで働いているというのに……。


3人目を妊娠したとたん、突然ぐうたらになったエミリ。寝ているばかりで最低限の家事しかしないし、コウタにはひどい点数を取らせるし……。あまりの堕落した様子に俺はガッカリしていた。
けれどそんな話を同僚にしてみたら、思いもしない反応が返ってきた。そもそも子どもたちの勉強は、嫁さんではなくて同僚自身が教えていたらしい。俺はコウタの勉強なんか見てやったこともない。学校でどんなことをしているかすら知らない。
ひょっとして俺が悪かったのだろうか……。同僚に「どの内容でつまづいたのか」と質問されても俺は何も答えられない。なんとなく気まずい空気がただよったのだった。
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