液体水素エンジンのTGRR GR Corolla H2 concept、第7戦富士は最大出力での連続走行に挑戦。超電導モーター搭載車両の走行もスタート

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2025年11月14日 18:50  AUTOSPORT web

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2025スーパー耐久第7戦富士 TGRR GR Corolla H2 concept
 11月15〜16日に静岡県の富士スピードウェイで行われるENEOSスーパー耐久シリーズ2025 Empowered by BRIDGESTONE第7戦『S耐FINAL大感謝祭』は、今季最終戦でさまざまな見どころがあるが、今回ST-Qクラスに参戦する液体水素エンジンのTGRR GR Corolla H2 conceptは、ポンプの耐久性に引き続き挑戦しており、今回は最大出力での連続走行に挑戦する。

 他のクラスに該当しない、スーパー耐久未来機構(STMO)が認めた開発車両が参加できるスーパー耐久のST-Qクラスを使い、世界的にも大きなチャレンジである水素エンジンの開発を続けているTGRR GR Corolla H2 concept。気体水素から液体水素にスイッチした後も開発が続けられ、2025年第3戦富士24時間では、新充填バルブの採用による安全性向上と軽量化、および水素エンジン燃焼切り替え技術の実証などにおいて進化を遂げた。

 この開発が実を結び、第3戦富士24時間では、技術的にも大きなチャレンジだった液体水素を昇圧してエンジンに送るポンプをレース中一度も交換することなく完走。耐久性の向上を確認することができ、液体水素エンジンにとっても大きなステップを踏むことになった。

 ただ依然としてエンジン出力増加に伴ってポンプへの負荷が増大し、最大出力での連続走行には耐久性の面で課題があったが、さらなるレベルアップのために、24時間耐久レース以降もポンプの昇圧性能と耐久性を確認するテスト走行を繰り返し、今回の第7戦富士では最大出力での連続走行に挑戦していく。

 さらに、トヨタは液体水素技術のさらなる進化に向けて継続的に超電導技術の開発に取り組んでいることを以前から公表していたが、液体水素ポンプ用超電導モーター搭載車両の走行ができる段階まで進んでいることが公表された。

 高効率で小型の超電導モーターをタンク内に搭載しスペースを作り出すことで、1.3倍以上のタンク容量拡大が実現でき、航続距離の向上に繋がるほか、軽量化、低重心化による走行性能向上や、入熱源であるフランジがなくなることによるボイルオフ量低減が期待できるという。

 液体水素特有のマイナス253℃の温度環境は、特定の物質を極低温に冷やすと電気抵抗がゼロになるという超電導にとって適した温度帯で、液体水素車両と超電導技術の親和性を最大限活かすことで、水素エンジン車の可能性を大きく広げていく技術となる。今後もトヨタは、将来のレース参戦を目指し引き続き開発に取り組んでいくという。

[オートスポーツweb 2025年11月14日]

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  • 水素エンジン車ならJR東海でも研究中。レールの上のですが。
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