湯原昌幸、歌うことがトレーニング「78歳、キーを1音半上げた」新曲も発売/連載2

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2025年11月17日 05:00  日刊スポーツ

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新曲「どうかしてるね」をリリースした湯原昌幸(撮影・たえ見朱実)

歌手湯原昌幸(78)が、5日に徳間ジャパン移籍第1弾となる新曲「どうかしてるね」を発売した。ラテンタッチの曲調で、長年連れ添った女性から三くだり半を突きつけられて戸惑う男の心情を歌っている。作詞は「残酷な天使のテーゼ」の及川眠子氏(65)、作曲は「天城越え」の弦哲也氏(78)という、対極の2人の斬新な組み合わせだ。湯原に聞いてみた。【小谷野俊哉】


   ◇   ◇   ◇


1964年(昭39)に日本テレビ系のオーディション番組「ホイホイ・ミュージック・スクール」に出演してスカウトされ、グループサンズだったスイング・ウエストにボーカルとして加入。70年にソロになり、71年に「雨のバラード」が120万枚の大ヒット。60年以上も歌い続けて、今年3月に78歳になった。


「この間もなじみの店に行って、バリバリ歌ってきました。歌うことがトレーニングですからね。車のエンジンと一緒で、温めないとダメですね。今回はカップリングに『雨のバラード』をリメークして入れた。いろんなバージョンで歌ってきたんだけど、今回は71年のソロになった時のアレンジで歌わせたいということで、キーを1音半上げた。78歳になって、周りは皆、声が出なくなってるんだけど、出るところまでやってみようという話だね。これが出なくなったら、スッといなくなればいいわけ。ちょっとしたプライドもあるしね、出るうちは出し続けようという感じ」


健康管理も、歌手としての仕事の大事な部分だ。妻の歌手でタレントの荒木由美子(65)に支えられている。


「もちろん由美子も食事とか気を使ってくれるし、僕自身も自分のオリジナル体操と称してやっている。風呂の前に15分、風呂の中で15分、寝る前に15分、ベッドの上で15分とやっています。血流とリンパの流れを促すのが目的。身体で悪いところは、ばね指くらい。こっちは自分で、あれこれやって治した。それこそ何かの病気で駄目になったら、一生懸命やったのに駄目だったんだと諦めもつくようにね」


「どうかしてるね」のカップリングは、湯原自身が新たに作曲した「南十字星」と、1971年の自身の大ヒット曲「雨のバラード」。


「『どうかしてるね』は、今までの楽曲からちょっと世界観を変えようという趣旨があった。カップリングの『南十字星』は、伊藤薫ちゃんと2人で昔からやってるんでね。ちょっといいメロディーがあったので、詞をつけてもらった。『雨のバラードは』は、当時は累計で120万枚です。今とは音楽を取り巻く環境が全然違った」


来年3月には79歳の誕生日を迎える。70代最後になる。同世代の歌手、タレントが消えていく中で、歌い続けている。先輩もいなくなってきた。


「せんだみつおが、1学年下なんですよね。五木ひろしも1つ下、堀内孝雄は3つぐらい下。『どうかしてるね』の作曲の弦哲也さんも1学年下。歌手で、同じ人くらいの人っていないね。西川きよしは、歌手じゃないからね。カーペンターズのお兄さんのリチャード・カーペンターや、エルトン・ジョンも同い年だけど外国の人だからね。確かに上は、89歳の北島三郎さんくらいになっちゃうんだよね。同い年の岸部一徳、彼は役者になっちゃったしね」


今年1年は、新曲の「どうかしてるね」に全力投球の1年だった。


「春ぐらいにレコード会社を徳間ジャパンに移るっていう話があって、そこから準備が始まった。今年は本当に、この楽曲のための1年だった。年末までは締めくくりというか、ほとんど来年のイントロになっちゃう。来年はまた、ちょっと体力をつけて頑張りますよ」(続く)


◆湯原昌幸(ゆはら・まさゆき)1947年(昭22)3月5日、茨城県牛久市生まれ。64年バンド、スウィング・ウエストに加入してボーカル。70年に「見知らぬ世界」でソロデビュー。71年の「雨のバラード」が120万枚の大ヒット。83年に歌手荒木由美子(65)と結婚。03年(平5)に「冬桜」がヒット。血液型B。

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