
《12月4日、本校の研修旅行に参加していた複数の生徒が、訪問先において窃盗行為に及んだことが確認されました》
12月8日、公式HPにこの書き出しで文書を発表したのは、京都市東山区にある「大谷中学・高等学校」。
12月5日ごろからX上で、関西地方の方言を話す少年たちがインドネシア・バリ島にある衣料品店で万引きをする動画が拡散。この防犯カメラで撮られた映像には、2025年12月3日11時半ごろと表示されており、同時期に研修旅行でバリ島に訪れていた大谷中学・高等学校の生徒ではないかとの指摘が多数あがり、8日に学校が正式に認めた形だ。
今回、万引きが発覚した大谷中学・高等学校とは、いったいどのような学校なのか。
「大谷中学・高等学校は、東本願寺によって1875年に京都府下小教校として下京区内に開校された150年の歴史を持つ学校で、生徒数は京都府で最も多い1515人(2025年5月1日調査)だそうです。高校では生徒の目標に合わせたインテグラルコース、バタビアコースの2つのコースが用意されており、`24年度の大学入試では、大阪大学などの難関国公立大学にも合格者を輩出していました」(教育ジャーナリスト)
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進学校としての側面も持つ大谷中学・高等学校。海外に修学旅行中の集団窃盗という驚愕の事件が起きてしまったわけだが、地元の人たちはどのような印象を抱いていたのか。本誌は、京都市東山区に足を運び、同校の評判について話を聞いた。
同校の近隣に住む主婦は言う。
「生徒も先生も職員の方もすごくいい人ばかりで、万引きのニュースをみた時、たった3人ほどの生徒がやったことで、生徒も先生も“気の毒やなぁ”と思いました。
つい先日も、学校内の塀沿いに植えてある木の落ち葉が多くて、掃除するのが大変だったので、学校に電話したことがあったんです。そしたら学校の職員の方が飛んできてくれて、『すぐに処置します』といって、脚立を立てて、道路にはみでた枝をみんな切り落としてくださいました。
他にも、大会の前とかになると、吹奏楽部の生徒さんが、夜遅くまで練習するようになって、うるさい時があったりするんですが、そんなときも学校に電話すると、すぐに練習の音が止まりました。
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生徒さんも親切ですよ。子供たちがボールを使って遊んでいた時に、誤って堀を超え校内に入ってしまったことがありました。すると生徒さんが何人も来てくれて、草むらや、置物の裏を探しまわって、ボールを見つけてくださったことがありましたね」
問い合わせに対応するだけでなく、学校関係者も近隣住民と積極的にコミュニケーションを取っていたようだ。
「京都五山送り火の夜には、『校舎の屋上にあがってください』といって、近隣住民を送り火が全て綺麗に見える校舎の屋上に招いてくれるんです。それだけでなくて屋上では生徒さんが近所の子供たちと、くじ引きや輪投げなどをして一緒に遊んでくださいました。
それに体育祭や文化祭などの学校行事の前には必ず、先生と代表の生徒さんがタオルなどの粗品を持って、近所の家を一軒ずつ回り、『ご迷惑をおかけします』と毎年挨拶に来てくださいます。
本当に地域の人たちのことを考えて学校を運営されているんです。それだけにほんの一部の生徒の失態で、全てが悪いように思われてしまうのは、近隣住民のひとりとしては残念でしかたないです。
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何十年も前は、“ツッパリ”ばかりで、ものすごく荒れた男子校でしたね。塀の上に登って、校外に向かって大声を出したり、授業中に学校の外に出て買い食いしていたり、もうしょっちゅうでした。けれども、学校のほうも特進コースを作ったり、共学にしたりして、変わっていき、今は昔とはまるで別の学校に変わっています」
同校の最寄り駅でJR西日本奈良線と京阪電気鉄道の京阪本線が乗り入れている東福寺駅から、大谷中学・高等学校までの道中にある商店の店主は今回の事件をこう推察する。
「クラスの仲間たちと初めて海外に行って、気が緩んだのだろうけど、3人で手分けしてやるのは確信犯で悪質ですね。
JRも京阪も利用できる駅がある便利な場所に学校があるので、京都だけでなくて、大阪あたりからも生徒が来ていて、大谷高校は生徒数が京都で一番多いそうです。
そのため、通学時の駅から学校までの通学路はもう生徒で埋まるくらいの状況になるんです。何もしないと、歩道を歩いていた生徒が車道にはみ出して、車などが通れなくなるため、先生が交通整理するために道に立っています。
そんな毎朝の通学ラッシュを目の当たりにしていると、これだけたくさんの生徒を集めているのならば、問題を起こしてしまう子供もなかにはいるのではと。先生たちも手が回らなかったのかなと思ってしまいます。ほとんどの生徒たちはいい子なんですけどね」
ごく一部の心ない生徒たちの行為によって、評判に大きな傷がついてしまった大谷中学・高等学校。信頼回復に向けて、地道に取り組んでいってほしい。
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