
【別カット】クールな雰囲気で魅了する綱啓永のモノクロカットほか撮り下ろし(全10枚)
■髪を過去一短く切って「かわいらしい感じになった」
その内部が決して公になることはない警察学校の実態をリアルに描いた長岡弘樹による新感覚警察ミステリー小説『教場』(小学館)を、木村拓哉主演で映像化した本シリーズ。適正のない人間をふるい落とす場でもある警察学校=教場で、“夢と希望と秘密を抱えた生徒たち”と“どんな些細(ささい)なウソも見抜く鬼教官・風間公親”による真剣勝負を描く。
生徒を演じるキャストにも実力派たちが集い、風間と彼らの繰り広げるドラマが視聴者をくぎ付けにしてきた本作。最新作となる2部作で綱が演じるのは、写真が趣味で、風間から撮影を託される門田陽光。写真を撮りながら同期をよく見つめ、風間のもとで大きく成長していく役どころだ。
人気シリーズの大役が舞い込んだことに、「出演が決まってとてもうれしかったですし、同時に自分がその世界に足を踏み入れることへの重圧を感じました」と打ち明けた綱。
門田が第205期の中心人物となることから、「作品の中でとても大事なポジション。自分に務まるのかなという葛藤もあった」ものの、「やる気しかなかった」と強い意気込みとともに飛び込んだ。「行進や点検といった警察学校で学ぶ所作の1つ1つも、どうしても1作目、2作目の先輩方と比べてしまうんですね。205期のみんなとはよく、『先輩たちに負けたくない』という話をしていました。205期というチーム、そして綱啓永個人としても『負けたくない』という気持ちで現場に臨みました」と振り返る。
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門田には「とても共感ができた」そうで、「ピュアでありつつ、風間教官に教えられたことをしっかりと、自分の中でかみ砕いて考えることのできる人間。僕自身、何かあった時に感情をバーンと出すよりも、一度自分の中で考える癖があって。感情に流されずにそこに立ち続けることができるというのは、門田の強み」と役柄に愛情を傾けながら、「クランクイン前から基本動作の訓練をし、撮影期間中も練習をしていました。そうすることで205期の仲も深まり、自分の役への理解も深まる。役と一緒に僕自身も成長できた気がしています」と充実感をにじませる。
■“風間公親”の鋭い視線に「汗が止まらなかった」
主演の木村が、冷酷無比な鬼教官・風間公親として圧巻のオーラを放っている。風間のすべてを見透かしているような鋭い眼光は、視聴者にもピリッとした緊迫感を与えるほど恐ろしい。実際に風間と対峙(たいじ)したシーンでは、「“ピリッ”どころの騒ぎじゃないですよ。“ビリッ!”という感じ」ととんでもない緊張感を味わったという。
「木村さんは、クランクイン前の訓練の時から僕らの姿を見に来てくれました。アメカジのセットアップに身を包んだ、スーパースターの木村さんですよ!」と興奮をよみがえらせ、「僕らに『これじゃあ、まだダメだ』と厳しい言葉をかけてくださったり、その時から風間教官と生徒としての関係値を作ってくださった。ピンと背筋が伸びるような思いがしました」としみじみ。
風間の視線を浴びた際には「汗、止まらないですよ。びっちょびちょです。本当に全てを見透かされている気分になるんです!」と苦笑いを浮かべ、「木村さんは常に風間教官の冷徹な空気を醸し出して、現場に立ってくださっていました。そのおかげで、僕たちも役に入ることができた。風間教官の放つ空気感を大きなスクリーンで体感したら、その場にいるような感覚が味わえると思うのでぜひ堪能してほしいです」とおすすめする。
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『教場 Reunion』では、授業の一環として、門田が犯人役となり、定規を武器に見立てて風間に襲いかかっていくシーンがあった。門田はあっという間に風間に腕を取られてしまう…という展開となるが、そこにはこんな裏話も。
「門田は定規を振りかざした後、風間教官の顔に向かってそれを突き出すんですが、カメラテストでは教官の顔の横あたりに突き出していたんです。すると木村さんが、『本当に打ってきていいよ。俺は大丈夫だから』と言ってくださった。その木村さんの姿がめちゃくちゃカッコよくて、キラキラしていて。『カッコイイ…』と思いながらも、『もし顔に当たってしまったどうしよう』と緊張もありました」。
「でも座長を信じて、顔の真ん中に向けて思い切ってバン!と定規を突き出したところ、ササッ!とあっという間に腕を取られていました。座長は、何でもできちゃうんです!」と声を弾ませながら、「終わった後にも、『大丈夫だったか』と声をかけてくださって。木村さんが『もっとこうした方がいい』と教えてくださったことは、『はい!』とすべて受け止めてお返ししたくなる。いつかあんなふうになれたら…と思うことばかりでした」と熱を込める。
■さらなる高みを目指しコツコツと
映画『女神降臨 Before/After』では歌とギターにもチャレンジ。人気漫画を実写化した『WIND BREAKER/ウィンドブレイカー』では自身も大好きなキャラクターを演じるなど、話題作への出演を重ねた2025年は綱にとって大きく飛躍した1年となった。綱の芸能界入りのきっかけは、2017年に開催された第30回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストでグランプリを受賞したこと。
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そんな彼に大きな変化をもたらしたのが、2019年放送の特撮ドラマ『騎士竜戦隊リュウソウジャー』(テレビ朝日系)への出演だ。「1年間を通して放送される戦隊モノで、初めてメインとして出演をさせていただいて。がっつり、みんなと一緒に1つの作品を作り上げるという経験をさせていただきました」。
「シアターGロッソでのヒーローショーでは、忘れられない思い出があります。ちょうどコロナ禍と重なって半分以上の公演が中止になってしまったんですが、そんな中で開催された初日に『みんな、パワーをちょうだい!』と呼びかけると、子どもたちが『リュウソウジャー!』と必死に応援してくれました。その姿を目の当たりにした時に、感動で泣きそうになってしまって。作品を届けた先にたくさんの人がいるこの仕事を軽々しく考えてはいけないし、『頑張ろう』と思えた瞬間でした」。
俳優としての武器は、「ずっと探しているんですが、突出した武器がないのが良いことなのかもと思うようになってきた」という。「器用貧乏なんです。五角形状のステータスを作ったとしたら、80点…いや、過大評価したな(笑)。すべて70点くらい取れたとしても、100点を取れるものがないというか。でも俳優のお仕事は、臨機応変にいろいろなことに挑戦する職業。器用貧乏が役に立つことがあるのかなと感じています。あと僕、考え方や価値観もものすごく普通なので。この感覚は、いつまでも大切にしたいです」と分析する。
周囲のスタッフからは、綱について「隠れた努力をしてくれる、とても真面目な役者」だという評価を耳にすることも多いが、「自分に自信がないので、『これだけ努力しています、これだけ実力があります』ということを表現できないんですよね。結果、隠れた努力をしているということなのかな。自分でも真面目な方だとは思います」と照れ笑いをのぞかせる。
伸び盛りの27歳。「友人との時間を大事にしながら、仕事とプライベートのバランスがうまく取れている状態。今の自分の生き方は、すごく幸せだなと思っています。とはいえ仕事面では、もっと頑張りたいです。主演を任せていただけたり、賞を取ることができたり、結果として残る事実を積み重ねていくことができたらいいな」とさらなる高みを目指しつつ、「どこまでやったら自分に自信がつくのかわからないので、今はコツコツと努力あるのみです」と晴れやかな笑顔で宣言していた。(取材・文:成田おり枝 写真:上野留加)
映画『教場 Reunion』はNetflixにて配信中。映画『教場 Requiem』は2月20日(金)より全国公開。
