WECでアストンマーティン・ヴァルキリーを駆るドライバーのほとんどがIMSAにも参戦するハート・オブ・レーシング。日程の重複は大きな課題となっている WEC世界耐久選手権のシーズン開幕前に実施される恒例の“プロローグ”テストは、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権第2戦『モービル1・セブリング12時間』との日程重複を受け、各チームが選択した一日に限定して実施されることが明らかとなった。
Sportscar365の取材によれば、中東のルサイル・インターナショナル・サーキットで3月22日(日)と23日(月)に予定されていた2日間のテストは、前日にアメリカ・フロリダ州で開催されるセブリング12時間とバッティングしたことを受け、調整が行われたという。
多数のドライバーやチーム関係者がセブリングからカタールへ直行する予定となっているが、それでもWECの全チームに参加が義務付けられている公式プレシーズンテストの初日には間に合わない。このためWECの各チームは、すべてのテストの全日程に参加するのではなく、走行スケジュールを22日と23日のいずれかから選択する形式が採られる見込みだ。
これは、とくにこの日程の重複によって深刻な影響を受けるであろうチームにとっては歓迎すべき展開だろう。
たとえば、BMW MチームWRT(15号車・20号車BMW MハイブリッドV8)の6名のハイパーカードライバーのうち、4人はセブリングでのレースに参加することになっている。また、アストンマーティンTHORチーム(007号車・009号車アストンマーティン・ヴァルキリー)のドライバーも、ひとりを除いて全員がIMSAレースに出場する。
彼らを含め25名以上ものドライバーが、こうした状況にあるとみられている。
「プロローグテストに参加しないことは禁止されているが、我々のドライバーのほとんどはセブリングに出場することになっている」と語るのは、チームWRTを率いるヴァンサン・ボッセ。「もちろん2日目には参加する」
また、ハート・オブ・レーシングの代表であるイアン・ジェームスは次のように付け加えた。「日程が重なってしまったことは残念だが、少なくとも月曜日(2日目)には参加することができる。その点については満足している」
今季2026年のプロローグテストの日程は、3月20日の夕方に終了するラマダンを避けるため、3月28日に予定されている開幕戦『カタール1812km』とともに設定されたものだ。
イスラム教の宗教的祝日は太陽暦に基づいている。過去2回の開幕戦カタールおよび来月のレースが毎年同じ週末に開催されない理由はそのためだ。
WEC側で変更が行われたにもかかわらず、ボッセとジェームスの両代表はプロローグテストの2日目に間に合わせることは、依然として容易ではないとしている。
「オーランド(フロリダ)からカタールへの商用便があり、月曜の朝にはカタールに到着できる予定だ」とボッセは語る。
「ドライバー全員がその飛行機に乗る。我々のようなチームメンバーも数人乗る。厳しいスケジュールになるだろうね」
ジェームスは次のように付け加えた。「少し苦労するが、間に合うと思う。到着は日曜の深夜か、月曜の早朝になるだろうね」
「しかし、誰にとっても厳しいものになるだろう。セブリングはタフな週末、タフなレースだ。それはドライバーだけでなく、サポートスタッフや自動車メーカーの人々も同様だ。残念だが何とか解決策を見つけるよ」
■うわさされるカレンダーの拡大に私見
ジェームスはまた、IMSAとWECが将来的に日程重複を減らすことへの期待についても言及した。
セブリングとプロローグテストの重複に加え、両選手権は4月中旬にふたつのレースウイークが衝突する。イモラとロングビーチの週末、そしてインテルラゴスとモスポート・パークでのLMP2メインのイベントの週末だ。
「一般的に言って、これらは世界を代表するふたつのスポーツカー選手権だ。日程が重ならなければ素晴らしい」とジェームスはSportscar365に語った。
「状況次第でバッティングしてしまうことがあるのは承知しているが、すべて回避できるのなら、そうなってくれることを祈っている。また、将来実現するかは不明だがWECに新たなレースが追加されるのであれば、同時にこの問題に対する配慮を願いたいね」
2026年からWECに加えIMSAでもハイパーカーを走らせるWRTのボッセは、2027年にシルバーストン・ラウンドが復活し、WECが年間9戦になるとの憶測が広がるなか、WECカレンダーを8ラウンドのまま維持すべきとの見解を示した。
「やりすぎには注意すべきだ」とボッセ。「私は現在のWECカレンダーが理想的だと考えている」
「たしかに3〜5レース増やせれば素晴らしいかもしれない。だが、今のかたちを維持すべきだろう。それが現時点での最善の選択だと思う」
[オートスポーツweb 2026年02月18日]