「困ったときはお互いさま」=広がる支援の「恩送り」―チケット導入、海外にも・福島―東日本大震災15年

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2026年03月06日 07:31  時事通信社

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チームふくしま代表の半田真仁さん(左)と故吉成洋拍さん(中央)(NPO法人チームふくしま提供)
 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故で、沿岸部の自治体から多くの避難者を受け入れた福島市を中心に、「お互いさまチケット」の導入が広がっている。飲食店などで、客が次に訪れる誰かのために代金を先払いする取り組みだ。「困ったときはお互いさま」。助け合いの精神への賛同は徐々に広がり、いまや国内外で約130店舗が導入するまでになった。

 「お互いさまチケット」は2020年、福島市のハンバーガー店「BLTカフェ」のオーナー、故吉成洋拍さんの発案で始まった。震災前から子ども支援に携わっていた吉成さんは、受けた恩を別の誰かに返すという「恩送り」の理念に基づき、客がチケットを先払いで購入して店内に置き、生活に困窮した子どもたちがこのチケットを使って無料・低価格で商品を注文できるようにした。

 しかし、吉成さんは導入間もない21年に49歳で急逝。以降は、吉成さんが副理事長を務めていたNPO法人「チームふくしま」が活動を引き継いだ。吉成さんは生前、震災で一度は同情であふれた福島を、「感謝にあふれた町に変える」と話していたという。代表の半田真仁さん(48)は「最初は未知数だったが、困窮者の役に立っていることが分かり、(吉成さんの)思いを消してはいけないと思った」と語る。

 チケットを使った人は、感謝のメッセージを店内に掲示できるため、購入した人は支援の気持ちが誰かに届いたことを確認できる。自分が購入したチケットが使われたかの確認で店舗を再訪する人もおり、店側の売り上げにつながるというメリットもある。

 取り組みは徐々に広がり、飲食店のほか、美容室、整体院、文具店など幅広い業種の店が賛同。能登半島地震で被災した石川県七尾市の飲食店なども加わり、国内で131店舗のほか、台湾とベトナムでも導入が始まっている。半田さんは「震災時に助けてもらったからこそ、福島の外にも『恩送り』をしたい」と話す。

 チームふくしまは来年度、一連の活動をつづった英語の書籍を発行する。海外への広がりも見据える半田さんは、国連で日本語の「もったいない」という言葉を広めたケニアの環境保護活動家のワンガリ・マータイさんを引き合いに「『お互いさま』が世界の共通語になれば」と意気込んでいる。 

「お互いさまチケット」とチケットを使った人からのメッセージ=2月13日、福島市
「お互いさまチケット」とチケットを使った人からのメッセージ=2月13日、福島市


「お互いさまチケット」を最初に始めたハンバーガー店「BLTカフェ」=2月13日、福島市
「お互いさまチケット」を最初に始めたハンバーガー店「BLTカフェ」=2月13日、福島市


取材に応じるNPO法人「チームふくしま」代表の半田真仁さん=2月13日、福島市
取材に応じるNPO法人「チームふくしま」代表の半田真仁さん=2月13日、福島市

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  • こども食堂でもありますな。夕方、値引きされたお弁当類を子供が。お台は、買い物した大人がトークンみたいなの、一口幾らのチケット購入。
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