田村芽実、入野自由「この映画のどこかに自分自身を投影できるキャラクターが必ずいると思います」『ウィキッド 永遠の約束』【インタビュー】

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2026年03月06日 17:10  エンタメOVO

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(左から)田村芽実、入野自由 (C)エンタメOVO

 童話『オズの魔法使い』に登場する魔女たちの物語を描いた大ヒットブロードウェーミュージカル「ウィキッド」を実写映画化した2部作の続編となる『ウィキッド 永遠の約束』が3月6日(金)から全国公開された。本作の日本語版で、前作に引き続いて、ネッサローズ(マリッサ・ボーディ)とボック(イーサン・スレイター)の声を吹き替えた田村芽実と入野自由に話を聞いた。




−前作から引き続いての吹き替えについてどのように感じましたか。

入野 もともと決まっていたので、収録の時は「ついに来たな」という感覚でした。待ちに待ったというか、1ファンとして楽しみでもあったので、早く映画が見たいという思いはファンの皆さんと一緒です。

田村 前回は、やっと慣れてきて楽しいと思えた頃に終わってしまったような感覚がありました。なので、続編の声の収録ができるのをとても楽しみにしていました。ところが今回は、さらなる壁と言いますか、さらなる試練があったので、それも何とか楽しめるようになってきたと思ったところで終わってしまいました。でも、魂を込めてやり遂げられたと思います。

−ボックとネッサローズという、それぞれのキャラクターに対する思いはどんな感じですか。

入野 10代で最初に「ウィキッド」を見た時は、主役の2人を中心に見ていました。自分がボックを演じることになって、改めて注目して見てみると、彼は決してヒーローではなく、この作品を見ている観客の皆さんと同じような立場で、憧れたり、恋をしたりします。それが、社会や権力、いろんなものに飲み込まれてしまい、身も心も自分ではコントロールが効かないところまでいってしまう。今を生きる僕たちにも近くて投影しやすいキャラクターなのではないかと思います。

田村 ミュージカルを見た時は、エルファバとボックが好きで、エルファバ役の人とボック役の人にファンレターを書きました。そのぐらいボックという役は愛らしいんです。ネッサローズに関してはそこまで強い思い入れはありませんでしたが、吹き替えをして彼女に対する思い入れが強くなりました。ミュージカルの時は主役の2人を中心に見ていましたし、エルファバを応援する側からすれば、ネッサローズのことを結構身勝手だと思っていました。でも、この映画はミュージカルよりも緻密にネッサローズのことも描いていたので、心を寄せる瞬間がたくさんありました。

−今回、それぞれのキャラクターが変貌を遂げますが、お二人にとってチャレンジだったことや難しかったことはありましたか。

入野 ボックが民衆の怒りを代表するシーンで歌う曲ですね。そこでは彼の腹の底から湧き出る怒りを歌でどう表現できるかが課題でした。声の部分では、本来の役者さんの声に近づけたいという要望があったので、声の出し方については、技術としての部分と気持ちの部分との重なりというのが、チャレンジでした。

田村 私は、そもそも吹き替えの経験がこの映画が初めてだったので、自分にとっては全てが挑戦でした。前作のネッサローズには、希望や夢を持った少女的なところがありましたが、今回は成長して、いろいろと我慢をしたり、自分の本当の気持ちにふたをするような女性になっていたので、その部分を声だけで表現するのがとても難しかったです。

−今回、改めて吹き替えるに当たって心掛けたことや工夫したことはありましたか。

入野 基本的にはもう完成した絵や音があるので、吹き替えはそこがとても難しいと思います。台本に書いてあることに、できるだけシンプルに向き合う。その中でディレクションから来る言葉などに対応していくことがメインとなります。あまり自分の中で答えを探そうとし過ぎると、迷走してしまいます。だから僕の場合は、できるだけシンプルにと思っていました。

田村 監督から「ネッサローズはずっと我慢している」と言われました。でも、ただそこを強調し過ぎてしまうと、逆に我慢に見えないところが、収録の時に苦戦したところでした。だから、おなかの中に苦しい思いをずっと持ち続けて、とにかく集中することを心掛けました。今思い出しても、ちょっと下腹に力が入るような感じがします。でも楽しかったです。

−吹き替えたイーサン・スレイターとマリッサ・ボーディの印象はいかがでしたか。

入野 何でもできる人だと思いました。吹き替えるに当たって、経歴を調べたりしました。歌えて踊れて芝居もできてと、できることが本当に幅広いので憧れます。彼の吹き替えができて、うれしかったです。

田村 ミュージカルではネッサローズが歩くシーンがあるんですけど、マリッサさんは、実際に車いすで生活をしている方なので、この映画ではどうするのだろうとすごく気になりました。ところが、いかにも映画らしい設定になっていたので、そう来たかと思いました。

−この映画のテーマや魅力についてどう思いましたか。

田村 差別的なことがすごく描かれていますけれど、それを動物の姿やファンタジーを通して表現してくれるところが魅力だと思います。楽しみながら見られるけれど、見る人に問い掛けることもできるすごいエンタメだと思います。

入野 社会を映したようないろんなものがテーマとして渦巻いている。それを、教訓や説教のようなことではなく、物語として、すごくうまく描いている。こうありたいという理想や、勇気を持たせてもらえるようなものに昇華されていると感じます。

−見どころも含めて、これから映画を見る観客や読者に向けて一言お願いします。

入野 見どころを挙げればきりがないのですが、曲がいいし映像も美しい。とても丁寧に描かれているので、この映画のどこかに自分自身を投影できるキャラクターが必ずいると思います。いろんなキャラクターを見て、いろんなことを感じられる作品になっていることが、長く上演されて、こうして映画化もされた理由だと思うので、たくさんの人に見ていただきたいと思います。

田村 前作から時間が空いての続編ということで、その間、私たちの生活でも時間が流れたので、一緒に時間を過ごした上で、映画の世界にのめり込めるような感覚がありました。この作品は、学生時代を共に過ごして、友達として大人になっていく2人の成長物語でもありますが、前作で幸せだった風景や時間がしっかり描かれていたからこそ、今回の苦しさ、切なさが痛いほど心に染みます。メッセージ性もあるし、今回の方がジーンとするシーンがたくさんあると思うので、覚悟して見ていただきたいと思います。

(取材・文・写真/田中雄二)


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