2026年のFIA TCRワールドツアーは、改めて5月8日から10日にかけて、イタリアのミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリでの開幕が決定した メキシコのアウトドローモ・エルマノス・ロドリゲスにて、4月24〜26日に開幕戦を予定していた2026年のFIA TCRワールドツアーだが、イベントが急きょの開催延期に追い込まれたことでヨーロッパ域内の開催地を模索してきた。改めて5月8日から10日にかけて、イタリアのミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリでの開幕が決定した。
現地メキシコのイベントプロモーターから「6月への開催変更要請」を受け、今季4月24〜26日の開催中止を決定していたTCRワールドツアーは、ここへ来て従来よりTCRイタリアのカレンダーに定期的に掲載されており、昨季はTCRヨーロッパも開催したミサノに白羽の矢を立てた。
「2026年クムホFIA TCRワールドツアーの開催地として、新たな名門サーキットであるミサノをカレンダーに加えることができ、大変うれしく思っている」と語るのは、おなじみTCR規定を統括するWSCグループ会長を務めるマルチェロ・ロッティ。
「そのレイアウトと最先端の設備を備えたこのサーキットは、ツーリングカーレースでスリリングなショーを披露するのに最適なサーキットのひとつだ。TCRワールドツアーを歓迎してくださったACIスポーツ(イタリア自動車連盟)とその新会長に感謝したい。このイベントにより数々のエキサイティングなレースをお届けできると確信しており、今後も友好的な協力関係を継続できることを楽しみにしている」
このイベントは、アドリア海沿岸に位置する象徴的なトラックに、世界的なツーリングカー選手権が訪れる初めての機会となり、アドリア海からわずか数km、ロマーニャ海岸の活気あふれる雰囲気に囲まれた全長4.2kmのこのサーキットは、モンツァに並ぶイタリア屈指のモータースポーツの聖地となっている。
「ミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリにて、初めてクムホFIA TCRワールドツアーの開幕戦を開催できることを誇りに思います」と応じたのは、サーキットのマネージングディレクターを務めるアンドレア・アルバニ。
「これは2026年のスポーツカレンダーに新たに加わる素晴らしいイベントであり、伝統的なACIミサノ・レーシング・ウイークエンドにもふさわしいものです。ツーリングカーのファンにとって最高のイベントとなるでしょう。また、当サーキットで開催される数々の権威ある国際イベントの幕開けにもなります」
同時にWSCはハルターマン・カーレス社とのパートナーシップを継続し、昨季より2年連続でETSレーシングフューエルの供給を受けると発表。ETSが開発した高性能レーシング燃料『Renewablaze TCR R50』は、バイオマス廃棄物由来の認証済み先進サステナブル成分を50%含有し、TCRレース専用に開発され、ツーリングカーレースの要求を満たすように設計されている。
「こうして2シーズン連続で同社のサステナブル燃料を使用することは、イベントにおけるガス排出量削減に向けた私たちの取り組みの証だ」と語った前出のロッティ。「今後もパートナーシップを継続し、TCRのサステナビリティをさらに向上させるとともに、よりクリーンなモータースポーツへの移行がパフォーマンスに影響を与えないことを証明していきたいと考えている」
WSCの承認を受けFIAの規定にも完全に準拠、すでに実証済みのこのドロップイン燃料はエンジン改造を必要とせず、OEMメーカーによる検証も完了しておりTCRプラットフォーム全体へのシームレスな統合が確認されている。その点に関しETSレーシングフューエルズのグローバルマネージャー、ヤン・ラビアも「引き続きTCRワールドツアーをサポートできることを光栄に思う」と述べた。
「この『Renewablaze TCR R50』は真のドロップインレーシング燃料として開発され、さまざまな気候やレース条件下でも安定した性能を発揮する。2025年には2万7621kgのCO₂排出量を削減し、これは約1250本の木が1年間かけて吸収する量に相当する。まさにこれが、私たちがモータースポーツにおける持続可能な燃料の推進に尽力し続ける理由だ。CO2排出量を1kg削減するごとに地球への負荷を軽減でき、今季も持続可能な燃料技術が排出量を大幅に削減しながら、内燃機関レースを支える準備が整っていることをさらに証明するだろう」
これにあわせ、WSCとETSはシーズン中の各レースにおいて、最優秀ドライバーに贈られる“ETSゲストスタートロフィー”の創設を発表。トロフィーは各レースの公式表彰式で授与され、受賞ドライバーはレース後の記者会見に招待されることになる。
「TCRの理念は常に、国内および地域シリーズからカテゴリーの頂点であるクムホFIA TCRワールドツアーへと、ドライバーがステップアップできる道筋を作ることだった。ETSゲストスタートロフィーは、こうしたドライバーにとって刺激的な新たなモチベーションとなり、特別な栄誉をかけて競い合う機会を与え、さらに知名度を高めることができる」と続けたロッティ。
「この取り組みを支援し、選手権の競争環境の向上に貢献してくださったETSレーシングフューエルズに感謝する」
さらにツーリングカーのレースをさらに盛り上げるべくスポーティングレギュレーションの一部を改訂し、週末のレース1で最速ラップを記録したドライバーは、レース2のグリッドで1ひとつ順位が繰り上がる部分的なグリッド逆転方式の導入もアナウンス。レース1のグリッドは従来どおり予選1回目と2回目の合計順位によって決定され、レース2のグリッドは予選上位10名の順位が逆転。ただしレース1で最速ラップを記録したドライバーはグリッド順位がひとつ上がり、例えば予選9番手で本来2番グリッドとなるはずだったドライバーは、ポールポジションに昇格することになる。
[オートスポーツweb 2026年04月02日]