“痛そう”をどう超えた? 鼻うがいを日常のものにした『ハナノア』の20年

20

2026年04月18日 09:10  オリコンニュース

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

オリコンニュース

ダイアンの津田篤宏を起用した、『ハナノア』WEBCM
 「鼻に水を入れるなんて痛そう」「怖い」…かつて鼻うがいは、そんなイメージが先行する“ハードルの高いセルフケア”だった。だが近年、長引く花粉シーズンの対策や衛生意識の高まりなどを背景に、「手洗い・うがい+鼻うがい」へと習慣が広がりつつある。“痛くない鼻うがい”として誕生した小林製薬『ハナノア』は、発売20周年を迎える。タブー視されがちだったケアが、いかに日常へと近づいたのか。“鼻を洗う”習慣の広がりについて、担当者に話を聞いた。

【動画】ダイアン津田、鼻うがいで魅せた…渾身の「スー」!

■症状がある人だけが行うケア 発売当初は“特定の人のもの”だった鼻うがい

 20年前の日本において、“鼻うがい”は今ほど一般的に浸透してはいなかった。

「当時は“鼻うがい”はまだ定着しておらず、副鼻空炎の患者さんや鼻の手術をした人など、鼻のトラブルがある方が医師に勧められて行うという、特定の対象が中心のものでした」(小林製薬株式会社 『ハナノア』ブランドマネージャー中井晴氏)

 医療の現場では鼻の衛生を保つ方法として一定の認知があったものの、日常生活でのセルフケアとしての鼻うがいは、「症状がある人だけが“知っている”行為」だったといえる。

 そんな状況が大きく変化し始めたが、2020年前後。コロナ禍以降のことだった。

「やはりコロナのタイミングは大きかったと思います。『ハナノア』の売上も2020年あたりに伸長しているので、社会全体の衛生意識の変化が追い風になったと感じますね。花粉症の影響も大きいです。花粉が多い年は前年より売上が伸び、落ち着く年は『ハナノア』の売上も落ち着く傾向にあります。こういった状況もあり、鼻うがいは“季節の不快”に寄り添うケアとして浸透していきました」

■「痛そう」「怖そう」…”最大の壁”を「笑顔」のビジュアルで崩す

 バラエティ番組などの影響から、鼻うがいには“罰ゲーム的”なイメージもつきまとってきた。お笑い芸人が「痛い!」と表情を歪ませたり、辛そうな見た目として扱われたり、気軽に試すにはハードルが高かった部分もある。

「『ハナノア』を使っていない理由として、『痛そう』や『怖そう』という声は常にトップにあります。特に、プールで鼻に水が入ったときの痛みの記憶が、“鼻に水=痛い”という連想を強めているみたいです。

 だからこそ『ハナノア』は、「痛くない鼻うがい」というコンセプトを“お約束事”として掲げ、広告素材などにも徹底して入れ込みました」

 象徴的だったのが、交通広告などで見られた、女性タレントが「笑顔で鼻うがいをしている」ビジュアルだ。痛そうな表情ではなく、“笑顔の使用シーン”を前面に出し、「痛くない」を言葉だけでなく絵でも伝える工夫を重ねた。

 痛くない理由として、「『ハナノア』の洗浄液は、人間の体液に近い成分で作られています。そのため、鼻の中に入れても痛くなりにくいんです」と説明する。痛みに直接関わる話ではないが、体験としてのハードルを下げたのは独自の容器設計で“鼻から出すタイプ”を新たに開発したことも関係している。「口から出すことに抵抗がある人もいらっしゃる。鼻から入れて、鼻から出す。それも「プッシュするだけで簡単にできる」「時間もかからずに一瞬でできる」といった点が、結果として“恐怖心”を薄め、最初の一歩を後押ししていると考えます」。

■「ゴイゴイスー」のギャグで「スーーー!」の気持ちよさを直感的に届けられた

 とはいえ、「痛くない」と言われても人はすぐには信じない。伝え方の部分で同社が重要視したのは、“痛いかも”というハードルを超えるインパクトだった。

「“痛くない”を超えるメリットを提示する、そしてインパクト重視で興味を持ってもらうという2点で、ハードルを超えていかなくてはいけないと思いました」

 同商品がテレビCMで大きなインパクトを与えたのは、今田耕司の起用だ。当時CMを制作する上で大切にしているのは、「わかりやすさ」と「シンプルに伝える」こと。鼻うがいという“未経験領域”だからこそ、情報過多にはせず、「痛くない」と「どのように使うか」に重点を置き、ハードルを下げることを意識した。また、表情も“笑顔”であることにこだわり、鼻うがいをしている姿の強烈なインパクトを残した。

「鼻うがいの認知度がすごく低い状態だったので、認知を上げていくために、タレントさんを起用しての広告活動が必要だと考えました。そこで今田耕司さんにお願いしました。制作段階では決して“面白さ”を最優先したわけではありませんでした。“わかりやすさ”や“怖くない”という点をきちんと伝える軸で組み立てたところ、結果的に鼻うがいのシーンがバズることとなりました」

 さらに、2026年には、WEBCMでダイアンの津田篤宏を起用。「ゴイゴイスー」のギャグが連発され、鼻うがいによって“すっきり”することを伝えている。

「『ハナノア』をもっとみなさんに知ってもらいたく、時の人である津田さんを起用させていただきました。使用後のすっきり感を伝える上で、津田さんの“ゴイゴイスー”というギャグがすごくマッチして、「スーーー!」の気持ちよさを直感的に届けられると感じました。今回WEBCMを公開したことで、「CMが面白い」「津田さんがCMしていて嬉しい」といった声も届いており、より商品の認知を広げることが出来たと思っています。」

■鼻うがいの今後 “見えない不快”の解消から「歯磨きのような習慣にしたい」

 鼻の不快感は目には見えにくいが、生活の質には大きく関わってくる。「鼻が詰まったり、鼻に不快があったりすると、きちんと匂いが感じ取れなくなるという声は多い」と中井さん。

「鼻うがいで一時的に異物を洗い流すことで、鼻通りが良くなるのを実感している方はたくさんいます。その結果、「食事がより豊かになる」など、日常生活の快適さにもつながるものだと考えています」

 実際、ユーザーの中には、“歯磨き”と同じような感覚で毎日の習慣として使っている人もいるという。

「“症状があるときだけの対処”から“生活のルーティン”への移行が見え始めています。今の花粉が飛ぶ時期は、店頭でも目立つところに商品が並びますが、限られたシーンでしか使わないという面もまだあるので、伸びしろはまだまだ大きいです。

 衛生習慣として受け入れてくれるようにはなったと思っているので、しっかりとそれを定着させて、使用シーンをもっと増やしていきたいと思っています」

 “特別な対処”から“当たり前の対処”へと、“鼻うがい”を習慣化させていくことが直近の大きな目標であるという。

「いろいろなメーカーさんの商品なども出てきていて、“鼻うがい”がよりたくさんのお客さんの目に入るようになってきています。なので、お客さんが自分の好きな商品を使って、鼻うがいを定期的に行える環境を牽引していきたいです」

 今後の展望として見据えているのは、「問題を解消するだけ」ではない価値だ。

「単純に対処するものではなく、それをすることでより暮らしが良くなったり、QOLが高まったりするようなものにしていきたいです」

このニュースに関するつぶやき

  • コロナで?、愚生は其れより前に花粉症が酷くなった時から使い出したが。
    • イイネ!5
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(14件)

ニュース設定