2026年WEC第4戦サンパウロを制した15号車BMW MハイブリッドV8(BMW MチームWRT) BMW Mモータースポーツ・ディレクターのアンドレアス・ルースは、WEC世界耐久選手権の最初の4レースのうち2戦で勝利を収めた後、ハイパーカーのタイトル獲得に向けて「戦いに残る」ことが目標であると語った。
チームWRTのBMW MハイブリッドV8で3戦連続表彰台を獲得しているドイツのブランドは、通常の倍のポイントが与えられる第3戦ル・マン24時間レースでトヨタが勝利を収めたにもかかわらず、マニュファクチャラーズ世界選手権では首位トヨタに5ポイント差に迫っている。
これは、先日の第4戦サンパウロをトヨタTR010ハイブリッドの2台が0ポイントで終えたこと、さらに今シーズンこれまでに延べ4回の表彰台を獲得している2台のBMWの一貫性によって後押しされた状況だ。
2025年シーズン全体で合計87ポイントのマニュファクチャラーポイントを獲得したBMWだが、2026年はシーズン中間点ですでに127ポイントを手にしている。
「現時点での状況に、非常に満足している」とルースは語る。
「今シーズンこれまでに我々が達成してきたことをとても誇りに思っている。4レース中、2勝し、3戦で表彰台に上がったし、そのうちひとつはワン・ツーのダブル表彰台(第2戦スパ)だった」
「明らかに、かなりの勢いというのものがある。現時点で、物事がどのようにまとまっているかを見るのは本当にうれしい。シーズンの初めに我々はエボ・アップデートをクルマに投入しているからね」
「我々の目標は、特にドライバビリティ、一貫性、予測可能性に関して、クルマをより良いウインドウに収め、耐久レースで全距離を非常に高いレベルでレースできるクルマをドライバーに提供することだった」
「我々は、それをなんとか成し遂げることができたのだ」
15号車のドリス・ファントール/ラファエル・マルチェッロ/ケビン・マグヌッセンがブラジルでハイパーカー初優勝を飾った一方、チームメイトの20号車レネ・ラストとロビン・フラインスは、スパでシェルドン・ファン・デル・リンデとともに優勝、ル・マンでは準優勝を果たし、7号車トヨタのマイク・コンウェイ/小林可夢偉/ニック・デ・フリースのル・マン優勝トリオとドライバーズ世界選手権の首位タイに並んでいる。
「スパでのワン・ツーは、確かに大成功だった。そしてル・マンに来て、勝利を目指してレースの最後の瞬間まで戦い、勝者からわずか11秒差の2位で終わることができたのは、とても素晴らしいご褒美だった」とルース。
「ル・マンで勝利を失ったという感じはしない。我々としては、明らかなる2位を獲得したのだ」
「その後サンパウロに行き、ふたたび表彰台の頂点に立ち、マニュファクチャラーズチャンピオンシップ争いに加わった」
「我々の目標はチャンピオンシップ争いに残ることだが、この競技全体がどれだけ接戦でタイトなものかも理解している」
トヨタとBMWはマニュファクチャラーズ世界チャンピオンシップを巡る二大争いに躍り出ており、ディフェンディングチャンピオンのフェラーリは40ポイント以上の差で3位となっている。
それにもかかわらずルースは、今年のシリーズの競争レベルの高さを考えると、間違いは許されないと語った。
「世界耐久選手権にはあらゆるメーカーが参加しており、競争は非常に熾烈であり、すでにサンパウロでもふたたびその競争が見られたかもしれない」と彼は語った。
「ここはカレンダー上で最も短いトラックとはいえ、予選とハイパーポールで17台すべてが10分の7秒以内に入ったこと、そして最終的にトップ4台が10分の1秒以内に入ったことは、出場する全員にとってもファンにとっても素晴らしいことだった」
「現時点でこれほどまでに近づけたことは、我々にとって本当にひとつの到達点であると思う」
「しかし、これはすべてをまとめなければならないという意味でもある。細部にまで注意を払う必要がある。クルマの準備からピットストップ戦略、ドライバー……すべてに至るまで、すべてが正確で完璧でなければいけない」
「現時点では、我々はそれほど悪くない仕事をしているようだ」
現在の中東情勢を受け、今季の最終2ラウンドはヨーロッパで代替開催されることが濃厚になってきている。その場合は6時間レースでの開催が見込まれ、本来カタール(1812km)とバーレーン(8時間)がいずれも1.5倍ポイントの長距離イベントであったことを考えると、シーズン全体で獲得できるポイント数は減少することになる。
しかし、ルースによれば、この予期される変化はBMWを動揺させることはなく、誰もが同じシナリオに直面するだろうと語った。
「レースという点ではシーズンの半分が終わったが、ポイントという点ではすでにシーズンの半分以上が終わっている」と彼は語った。
「結局は誰にとっても同じなんだ。現在のチャンピオンシップは非常に接戦であり、特にトヨタとBMWはポイントで互角であるため、得るものと失うものは同じだ」
「我々の明確な目標は、我々が出場するすべてのレースに勝つことだ。最終的に、なぜサーキットに来るのか、なぜ競争したいのかはそれが理由だ。これこそが、我々が変わらない理由でもある」
「我々は充分に謙虚であり、これほど競争の激しいチャンピオンシップにおいて、すべてのレースに勝つことを期待することはできないことも充分に知っている」
「それでも、最終的に我々の目標は、表彰台に上がるか、レースに勝つという明確な目標を持って、できる限りのベストを尽くすことだ」
「これが、我々が今後のレースに臨む方法であり、さらに良い結果を収め、良いポイントを獲得し、チャンピオンシップ争いに留まることができればと願っている」
[オートスポーツweb 2026年07月21日]