助産師が教える!お産の進行を左右する「大事な3要素」とは?

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2018年05月31日 21:43  &Mama

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ママの数だけお産のストーリは違ってきます。「お産が全然進まなくて大変だった」「想像以上にスムーズに進んであっという間に生まれた」……。


どんなお産もママにとって“武勇伝”になっていきますね。今回は、お産の進行を左右する大事な3つの要素とは?について助産師である筆者がお話ししていきます。



▼お産に大事な3要素とは?

お産の進行を左右する要素が3つあると言われています。


(1)赤ちゃん(2)娩出力(3)産道(※1)となります。


ではこの3つがお産の進行でどんな風に影響していくのでしょうか?



(1)赤ちゃん


赤ちゃんの体で一番大きい所は「頭」になります。


その赤ちゃんの頭が、ママの産道を問題なく通過できるか?が重要なポイントとなります。


赤ちゃんは産道を通り抜けるために、大きな頭をお産の最中に骨盤の形に合わせて変えながら進んでいきます。(※2)


このことを「児頭回旋」と言います。この「児頭回旋」が順調に進んでいるのが重要となります。



(2)娩出力(陣痛といきみ)


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赤ちゃんを出口に向けてプッシュする力になるものです。


娩出力のメインとなるのが“陣痛”です。


陣痛は、はじめは10分間隔で始まりますが、お産の進行に伴い間隔は縮み、最終的には1〜2分間隔で痛みも1分近く持続して強くなっていくのが一般的です。


初産婦では、陣痛が始まってから生まれるまで12〜15時間※1、大体半日近くとかかると言われています。


そして、最後は陣痛にプラスしてママ自身のいきむ力、怒責も加わり、やっと赤ちゃんが生まれることができます。



(3)産道(ママの骨盤の広さや産道のやわらかさ)


ママの骨盤に赤ちゃんの頭が入り込める広さがあるか?が重要となります。


さらに、子宮口がやわらかく、広がっていくか?も大切です。


子宮口は、はじめは硬くちくわの様な形をしていますが、


赤ちゃんの頭で押されて少しずつ広がっていきます。


全部広がるとと10cmまで開大していきますよ(※1)。



この(1)赤ちゃん(2)娩出力(3)産道、3つのバランスが取れていると、分娩はスムーズに進んでいきます。


簡単に説明すると、ママの骨盤の中に赤ちゃんの頭がしっかりはまり、規則正しい陣痛がきて、それに伴い赤ちゃんの頭が回旋して下に降りることができます。


そして、子宮口は赤ちゃんの頭で圧迫されて広がり、子宮口が10cm開大して、赤ちゃんが降りてくるとともにママはいきみたい感じが出てきます。


最後は陣痛の力にママのいきみが加わり、ようやく赤ちゃんは生まれてくることができます。



▼お産が進まない時とは?

先ほど上げたお産の3要素のバランスがとれていない時に、お産は進まなくなります。


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(1)赤ちゃん


赤ちゃんの頭が大きくて骨盤にはまらない。


(2)娩出力(陣痛といきみ)


陣痛が弱い、微弱陣痛。ママの疲労による体力気力の低下、ママがいきめない。


(3)産道(ママの骨盤の広さや産道のやわらかさ)


ママの骨盤が狭い。そのため赤ちゃんの頭がはまらない。子宮口が硬くて広がらない、軟産道強靭(なんさんどうきょうじん)。


これは、加齢に伴う結合組織の硬化と萎縮により軟産道の弾力性と伸展性が低下するためと言われています。(※3)



お産は、ママと赤ちゃんの“人生初の共同作業”とも言われています。


ママと赤ちゃんともにこの3つの(1)赤ちゃん(2)娩出力(3)産道のバランスを整え、


心身ともにベストな状態でお産に望むことで、お産はスムーズに進行していきます。


お産という大舞台に備え、お産の3要素とともに、分娩の進行をしっかりイメージできるようにしておきたいですね。



※本記事の医療情報は、専門家の知識と経験をもとに監修や監修を行っております。しかしながら、医師および各専門家による情報提供は、診断行為や治療に代わるものではなく、正確性や有効性を保証するものでもありません。また、医学の進歩により、常に最新の情報とは限りません。個別の症状について診断・治療を求める場合は、医師より適切な診断と治療を受けてください。


【参考・画像】
※1 最新決定版 妊娠全百科 (GAKKEN HIT MOOK)
※2 病気がみえる vol.10: 産科
※3 分娩 – 日本超音波医学会
※  LightField Studios、 Tomsickova Tatyana、 lavizzara / Shutterstock


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