「私は負けない」アルビノの黒人モデル、タンド・ホパさんに注目集まる

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2017年11月16日 19:03  Techinsight Japan

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「黒人の魂はそのまま」というタンド・ホパさん
『VOGUE』誌などで活躍し、グリム童話のような幻想的世界を再現するといわれている英国の著名写真家ティム・ウォーカー(Tim Walker)氏。伊タイヤメーカーの「Pirelli(ピレリ)」がこのほどウォーカー氏とのコラボにより2018年のカレンダーを発表した。『不思議の国のアリス』をテーマにした夢と現実を行き来するかのような美しい仕上がりが話題になっているが、報道陣向けフォトコールではある一人のモデルにも大きな注目が集まっていたようだ。

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10日、ニューヨークの「マンハッタン・センター」で開催された『Pirelli Calendar by Tim Walker』。2018年のカレンダーのモデルとして起用されたのは黒人ばかりで、ショーン・コムズ、ウーピー・ゴールドバーグ、ナオミ・キャンベル、ルピタ・ニョンゴをはじめ錚々たる顔ぶれには驚くばかり。ダッキー・ソット(モデル)、ジャイモン・フンスー(ダンサー)も登場するなど世界を舞台に活躍している黒人に広く声をかけたことがよくわかる。

その報道陣向けフォトコールでひと際目立ったのは、ヨハネスブルグで弁護士として働いていたなか、アルビノ(先天性色素欠乏症)への偏見と闘いながら人生を堂々と歩みたいとしてモデルになった南アフリカ共和国出身のタンド・ホパ(Thando Hopa)さん。4人きょうだいのうち、自分と末の子がアルビノとして生まれたというホパさん。両親が常に「お前ほど美しい女の子はいない」と褒め続けてくれたおかげで人生の自信を失うことはなかったそうだ。

だがアルビノは紫外線から体を守るメラニンが先天的に欠乏する遺伝子疾患で、視力が低下することもあり、紫外線による強いダメージで様々な病気を発症しやすい。また、アフリカではアルビノの誕生は悪運をもたらすと信じられる一方で、その身体の一部を呪術師が煮出し、幸運を運ぶ秘薬として使用する。そのためアルビノの人々が襲撃され、殺される事件があとを絶たない。ホパさんも差別や偏見、奇異の目を感じながら生きてきたという。

その素肌はあくまでも白く透明で、こうしたレッドカーペットでも彼女は真っ赤な口紅を塗るだけで銀色の眉毛やまつ毛に何かを描き足すことはしない。「私は負けない」と語るホパさん。あえて人前に出て視線を集める職業を選んだ彼女の生き方を、応援しないという者などいるだろうか。



(TechinsightJapan編集部 Joy横手)

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  • かっこいい。 >両親が常に「お前ほど美しい女の子はいない」と褒め続けてくれたおかげで人生の自信を失うことはなかったそうだ。 両親もかっこいい。
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