来春の大学受験に向けて、準備を進めるご家庭も多いことでしょう。受験は、本人だけでなく保護者にとっても心が落ち着かない時期です。そんな中、子どもの志望校が思わぬ形で周囲に知られてしまったらどうしますか?
【漫画】子ども同士の会話から勝手にこんなことを…(全編を読む)
予期せぬ招待、「京大志望グループ」への参加
高校3年生の受験生を持つOさんは、1学期が終わる頃、息子のクラスメイトのママ友から突然LINEグループに招待されました。そのグループ名は、なんと「京大志望グループ」。子ども同士が志望校について話すうちに、その情報が親たちの間に広がり、自然発生的にママ友同士のグループができたようです。
「息子の志望校は秘密のはずだったのに…」と思いつつ、断る勇気もなく参加したOさん。グループでは京大志望の子どもたちの情報が次々と共有されていきます。2学期が始まる頃には、グループの人数も9人まで増えていました。「あの子も京大を目指しているのか」と、意外な顔ぶれにOさんは驚きを隠しきれません。
このグループを作ったのは、同じクラスのMさんのママ。Mさんは高校入学当初から京大を目指していて、すでに模試の結果もB判定が出ていると噂されていました。
|
|
「こんな形で志望校が公に?」ママ友たちの困惑
グループにはこれまで知らなかった子どもの保護者も加わっています。Oさんは「こんな形で子どもの志望校が公になるのは違和感がある」と感じています。
Eさんはグループへの参加を呼び掛けられたとき「うちの子の志望校を勝手に決めないで」と憤慨したといいます。京大を志望していることは、まだ親としてはっきり聞いていない時のことでした。子ども同士で話していたことが、知らない親たちの間で勝手に共有されていたことに、不気味さも感じたといいます。
「本当に京大を受けるかどうかは、11月に受けた模試の結果が12月に出るので、それから決める予定です。今からグループを抜けたら、成績が悪化して志望校を変えたと思われるかも。しかしそのまま残り続けるのも気まずい」と、Oさんは悩み続けています。
またEさんも、「受験については子どもたち自身が決めること。親同士がこうして繋がることで、子どもたちに悪影響が出ないか心配」と不安を感じています。
受験を目前に控え、グループ内では、受験時の宿泊先や冬場の交通手段、当日の注意点など、あたりさわりのない情報が共有されています。しかし、子どもたちが何気なく話した模試の結果や合格判定が共有されるリスクもあります。グループに残り続けるべきか、Oさんたちは悩んでいます。初めての子どもの大学受験、まさかこんな問題に直面するとは予想していませんでした。
|
|
子どもの大学受験めぐって…保護者もいろいろ
お子さんの大学受験で驚いたエピソードはありますか?
▼40代女性 神奈川
同じクラスに、自分の子どもの模試の結果や志望校の合格率を公開する保護者がいて、困惑しました。明るいキャラクターでクラス役員をしたり、クラス保護者会を仕切ったりしている方で、悪い人ではなかったので、単に成績の良いことを自慢しているわけではないと思うけど、「この前の数学は〇〇点だったの」と数字までオープンにされると、なんて返事をしていいかわかりませんでした。保護者の中には、表面的には仲良く見えても、裏では不満が溜まっている人もいるんじゃないかと思います。だんだん会うのを避けるようになりました。
▼50代女性 福岡県
同じ塾に通わせている保護者から、あの講座がいいとか、どの先生の授業で成績が上がったとか、いろいろアドバイスを貰いましたが、正直おせっかいだなと思いました。教えてくれているようでその割には「うちは特別な方法があるから」と本質的な部分は教えてくれなかったので、話しているうちにイライラしました。
|
|
▼40代女性 愛知県
ママ友が子どもの大学受験のために色んな大学に行って写真を撮っては、私達に「ここはキャンパスが広くていいでしょ」とか「設備が充実してるわよね」と言いながら見せてくれました。その過剰っぷりが、他の保護者から「過保護すぎる」と非難を浴びてました。でも正直、子どもが通う学校なので、見てみたいという気持ちはわかるので、私も一緒に見にいきたいなと思ってなんとも複雑でした。ただ、東京まで行ってたのでやはり行き過ぎだったのかな。
▼50代女性 東京
子どもの大学の話をしているかと思いきや、必ずその大学の話題を出して「私の母校だからさ〜」と自分がその大学出身である事をアピールする人がいて面倒でした。聞いてもいないのに「私の母校だからさ」ばかりなので、その大学への印象が悪くなりました。
▼40代女性 東京
某大学に子どもを行かせたいからと、「在校生の声を聞く」と言って色んな人脈を使ってその大学の学生とのツテを探している友達がいました。悪びれることもなく「大学の正門前で学生を待ち伏せしちゃった」といっているのを聞いて正直ひきました。しかも子どもの成績はそうでもなく、そんなことをする前に自分の子どもの成績をあげることに集中すれば?と思いました。
(まいどなニュース特約・松波 穂乃圭)