妊娠中のPM2.5曝露による危険性
11月29日、ハーバード公衆衛生大学院(アメリカ)らの研究チームは、「Science Advances」にて、妊娠中の微小粒子状物質(PM2.5)曝露は有害な妊娠転帰につながると発表した。
妊娠中の女性がPM2.5に晒されると母体の免疫反応が変化し、母体の健康ならびに胎児の成長・発達に悪影響を及ぼすという。
妊娠中のPM2.5曝露が母子の健康に対して与える影響
先行研究では、PM2.5曝露により、妊娠高血圧腎症、低出生体重、乳幼児期の発達遅延など母子の健康リスクが高まると報告された。
そこで今回、研究チームは、アメリカ環境保護庁(EPA)公表のデータを用いて、非妊婦と妊婦(妊娠20週)を対象に、妊娠中のPM2.5曝露が母子の健康に対して与える影響を細胞レベルにて分析した。
細胞レベルにてヒストン(サイトカインの放出を制御するタンパク質)の変化をマッピングしたところ、妊娠中のPM2.5曝露は母体のヒストンに影響を及ぼし、サイトカイン遺伝子(体内の炎症を制御する働きをもつ)のバランスを乱すことが認められた。
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これにより、母子の身体に炎症が生じ、その結果、有害な妊娠転帰につながるという。それゆえ、研究チームは、母子の健康を守るうえで、妊娠中の大気汚染曝露を最小限に抑えるべきだと提唱する。
(画像はScience Advancesより)
Science Advances
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