今年の主な選挙、7月には都知事選、10月には衆院選、直近では兵庫県知事選などがありましたが、選挙ポスターやSNS上の誤情報など、様々な問題が表面化しました。石破総理はここ最近の選挙について「特異な状況が発生している」と危機感を示しました。
【写真を見る】選挙におけるSNS上の問題を国会で答弁…石破総理は何を語る?
■「特異な状況が発生」直近の選挙戦に“危機感”
和やかな雰囲気で国会での代表質問に臨んだ石破総理。SNSでのニセ情報についての質問が投げかけられました。
立憲民主党 辻元清美 代表代行
「私もネット上のデマを信じた人に深夜、事務所の壁を破壊して不法侵入され、危害を加えられそうになったことがあります。総理、ニセ情報流されたことありますか」
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石破茂 総理
「私に関しましても、それはそれは数多くの情報がありまして、私の言動を曲解したような情報もあると感じたことは多々ございます。選挙におけるSNSの利用のあり方については、表現の自由や、選挙運動・政治活動の自由に関わる重大な問題でもあります」
選挙の問題は、SNSだけではありません。
立憲民主党 小川淳也 幹事長
「同一党派による候補者の大量擁立、ポスター掲示枠の事実上の金銭売買、自らの当選ではなく他者を応援するための立候補など、法の間隙を縫う行為は今後民主主義を育むのか、廃れさせるのか、大いに危機感を感じています」
石破茂 総理
「議員ご指摘のように、最近の選挙ではこれまで経験したことのない特異な状況が発生していたしております。もとより完全な選挙制度は存在せず、これまでも様々な試行錯誤を重ねられております。各党各会派は、選挙制度のあり方について、真剣に議論していくべきであると考えております」
■“選択的夫婦別姓” 積極発言が一転「動向を注視する必要がある」
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立憲民主党の辻元議員と、共産党の田村委員長が求めたのは、「選択的夫婦別姓制度」の導入です。
共産党 田村智子 委員長
「国連女性差別撤廃委員会による審査が8年ぶりに行われ、選択的夫婦別姓の導入を求める4度目の勧告が出されました。これまでと同じ棚上げは許されません」
国の研究機関などの調査によると、8割以上が賛成しているという選択的夫婦別姓制度。
石破茂 総理
「(選択的夫婦別姓の)実現は早ければ早いことに越したことはありません。総裁として、この議論は急いでもらいたい、そのような意思表明はしたい」
石破総理は、自民党の総裁選があった9月。このように話し、選択的夫婦別姓制度の実現について意欲を示していました。しかし12月3日の国会では、3か月前の積極的な発言から一転、慎重な姿勢を示しました。
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石破茂 総理
「国民の意見が分かれているところであり、政府としては引き続き、国民各層の意見や国会におけるご議論の動向を注視する必要があると考えております」
これは、選択的夫婦別姓制度について、自民党内で賛否が割れている現状を踏まえたとみられます。