岸田前総理側も商品券配布 石破総理に続き歴代総理に“飛び火”「官房機密費」の使用は? 約20年前の”機密費”資料には「商品券」の記載が…【news23】

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2025年03月20日 01:14  TBS NEWS DIG

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石破総理が会食に参加した新人議員15人に10万円相当の商品券を配っていた問題が、歴代の総理にも“飛び火”しています。岸田前総理も在任中、懇談会に合わせて出席議員に商品券を渡していたことがわかりました。「政治とカネ」の問題に注目が集まる中で、なぜ自民党内で“お土産文化”が続いているのでしょうか。

■岸田前総理側も商品券配布 歴代総理 麻生・菅氏は否定せず…

立憲民主党 小沼巧参院議員
「岸田前総理が同じように10万円の商品券を配っていたということがあって、それについて自民議員らの証言が実際にあったよという話の報道がなされた」

石破総理
「報道は承知しているが、私が確認をしたものでもない」

石破総理が総理公邸での会食に参加した新人議員15人に、それぞれ10万円分の商品券を配っていた問題。歴代の総理大臣にまで飛び火しています。

岸田前総理の在任中に行われた大臣政務官との懇談会に合わせて、岸田氏側から出席議員に商品券が渡されていたことがわかりました。岸田政権で政務官を務めた議員に聞くと・・・。

岸田政権で務める 山田太郎参院議員
「急に言われても覚えていないというか、懇親会ってありましたっけ」

――商品券をもらった記憶もない?

岸田政権で務める 山田太郎参院議員
「まず懇親会もそもそも覚えてないので」

岸田政権で務める 古川康衆院議員
「カレンダー調べてみましたが、会食には出ています。それは確認できたが、商品券をいただいたという記憶がない。覚えがないというのが正直なところ」

――「もらっていない」と断言はできない?

岸田政権で務める 古川康衆院議員
「もらったという記憶がないということなので、『絶対もらってない』と断言することは何らかの証拠がないとそうは言えないと思う」

岸田前総理の事務所に問い合わせると・・・

岸田事務所
「個人の社交的なお付き合いとしての会合から政治活動としての会合、また、政治団体の政治活動としての会合などさまざまありますが、いずれも法令に従い適正に行っているところであり、それ以上のコメントは差し控えます」

総理経験のある菅氏・麻生氏の事務所にも、総理時代に議員に商品券を渡したことがあるか尋ねると・・・。

麻生事務所
「国会議員との会合の性質に応じて、適宜適切に処理したところです」

菅事務所
「政治家を含めて様々な方との会合をもち、その際に手土産を差し上げたことはありますが、いずれも法令の範囲内で適正に行っています」

商品券を議員に配ったかについては、岸田氏側と同じく、否定も肯定もせず。

立憲民主党 野田佳彦代表
「石破総理というより、歴代総理というか自民党の政治文化としての問題になってきたのでは」

こう指摘する野田氏も、総理経験者です。

――過去に商品券を配った事実はあるか

立憲民主党 野田代表
「全くありません。即答できます」

■野党側「会食で政治の話をしていれば、政治活動では」 石破総理「一切行っていない」

野党側は、会食で政治の話をしていれば商品券は政治活動への寄付にあたり違法ではないかと追及していますが、石破総理は「政治活動ではない」と繰り返しています。

立憲民主党・社民・無所属会派 広田一参院議員
「石破総理は24時間365日、国家国民のため頑張っているイメージがある。なぜ1期生との食事会の時だけプライベートなのか、あまりストンとこない。(会食で)どういった話をしたのか」

石破総理
「『これまずかったな』ってことがある。失敗経験がある。そういうことを期数の若い人たちに繰り返して欲しくない。『こんなことしちゃいけないよ』と話した記憶はかなり鮮明にある」

広田参院議員
「明らかに政治・選挙含めたアドバイス。政治的な活動だと理解するのが当然ではないかと」

石破総理
「私は憲法についてこう思うんだみたいな無粋な話をした覚えは全くございませんし、そのような話はいたしません。そのようなこと(政治活動)は一切行っていない」

■総理の商品券 官房機密費使用は?20年ほど前の資料に「商品券312万」の記載が…

藤森祥平キャスター:
石破総理だけでなく、歴代総理にも商品券の問題は飛び火しました。

JNNの取材に対して各事務所側などは「法令の範囲内」「適切に処理をしている」としていて、実際に商品券を渡したか・渡していないか、はっきりした答えは返ってきていません。

▼石破総理
(商品券は)“慰労のためで違法性はない”

▼岸田事務所
(会合は様々あるが)いずれも法令に従い適正に行っている

▼菅事務所
(様々な方との会合の際に)手土産を差し上げたことはあるが、いずれも法令の範囲内で適正に行った

▼麻生事務所
国会議員との会合の性質に応じ適宜適切に処理

TBSスペシャルコメンテーターの星浩さんは「自民党の本質的な病で根深い」としています。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
恐らく、政権から政権に引き継がれているという訳ではなく、総理大臣の判断で商品券を配らずポケットマネーで出したというケースがあります。ここにきて官房機密費との関係がどうなっているのかという疑念がでてきました。きちんと説明していく必要があると思いますが、非常に根深い問題になっていると思います。

小川彩佳キャスター:
石破総理の説明としては、歳費の積み立て、親の資産、遺産などで蓄えたポケットマネーから支出し、官房機密費は使っていないということですが、どうでしょうか。

星さん:
実は、20年ほど前に明らかになった当時の官邸関係者による官房機密費の出納帳があります。私は当時、新聞社にいて大々的に「官房機密費」のことを報道しましたが、そこに「商品券312万」と書いてあります。

どうやら官房機密費から312万円ほどが「商品券」として支出されていて、これ以外のページもあるので、かなりの額なのではないかとされます。

このやり方がずっと続いているのか続いていないのか今後、相当大きな問題になってくると思います。

トラウデン直美さん:
官房機密費や、以前話題になった文通費にしても、使い道を明らかにしなくて良いお金が多すぎると思います。以前から大々的に報道されてきたというのに、未だにあるのはなぜでしょうか。

星さん:
2つありまして、石破さんも言っていますが、国民感情からズレている永田町の論理があるということです。

もう1つは、領収書が要らないお金は非常に使い勝手が良いので、何らかの形で温存したいという気持ちがまだ残っています。それが結局こういうことになって、発覚してくるということだと思います。

藤森キャスター:
今後の政権に影響しますか。

星さん:
一連の裏金問題はこういうふうに整理できると思います。

まず派閥の裏金があって、これは一部立件されました。続いて、自民党を中心に政策活動費がありましたが、これもマズいということで、廃止されることになりました。今回の商品券問題も、領収書なしでまかり通る一種の裏金で、さらに官房機密費も一種の裏金化しています。

有権者からすると「不明瞭なお金の流れはもういい加減してくれ」となっているのに、自民党は、そこに対する危機感が不十分だということだと思います。

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<プロフィール>

星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
政治記者歴30年 福島県出身

トラウデン直美さん
Forbes JAPAN「世界を変える30歳未満」受賞
趣味は乗馬・園芸・旅行

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  • 見栄も外聞も要らん。ポケットマネーとして、堂々と私物化しておけ。政治家になった動機も、それしか目的ではあるまいが、ゴキブリがww
    • イイネ!5
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