桐谷さんに質問「保有している優待株が大幅に下がったら損切りしますか?」

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2025年05月12日 11:30  All About

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個人投資家の桐谷広人さんが、YouTubeチャンネル『All Aboutマネー』に出演。読者や視聴者から寄せられた投資や株主優待にまつわる質問に応えてくださいました。今回は、保有している優待株の損切りについてです。
個人投資家の桐谷広人さんが、YouTubeチャンネル『All Aboutマネー』の番組に出演し、読者や視聴者から寄せられた投資や、株主優待にまつわる質問に回答してくださいました。

Q. 保有している優待株が大幅に下がったら、損切りしますか?

「保有している優待株が大幅に下落した場合、どういう対応を取っているのでしょうか? 損切りするのでしょうか」(TOMOKINさん/47歳/会社員)

A. 「基本的に、損切りはしないですね」(桐谷さん)

私は基本的に損切りをしないので、90%以上下がった株もゴロゴロあります。やはり「下がれば我慢」が大切だと思いますね。

昔、「損切りは大事だ」と教わったこともあります。しかし、何年か前の『日経ヴェリタス』という投資専門の週刊新聞のアンケート調査によると、トータルで利益を出している人は、損切りをしない傾向があるようです。

投資資金に余裕がない人は、損切りして別の株を買うのがよい場合もあるかもしれません。しかし、ある程度余裕のある人は、下がっても持ち続ける(長期保有する)方がトータルでは儲かっているようです。

私が損切りをしないのには、売買させることが証券会社の戦略のようにも思うからです。例えば、保有している株が値上がりし、売って利益を出したら、証券会社は手数料を得ます。一方、株価が下がったら損切りさせて、また手数料が得られるという仕組みです。

ですので、私は基本的に「下がれば我慢」がよいと思っていますし、むしろ下がれば買い増しをすることもあります。

とはいえ、買い増しをして大失敗をしたこともあります。去年倒産した船井電機の株を私も保有していましてね。ピーク時には、100株で300万円ほどしていたこともあります。私は120万円ぐらいのときに売買して、少し利益を得ていました。しかし、その後株価が下がり続けたので、買い増しを繰り返したんです。

112万円で買い、105万円で買ってと……。さらに、信用取引で70万円、69万円、68万円……と1万円下がるたびに買い増していきました。ところが、ついには(100株)4万円まで下がってしまいました。結果として、7000万〜8000万円ほどの損失を出してしまったんです。

リーマン・ショックでの一番の大負けでしたね。その後、4万円まで下がったタイミングで公開買い付けがあり、私は8万円で全株売却しました。もし持ち続けていたら、その後数年で会社が潰れ、本当に紙切れになっていたところでした。そう考えると、公開買い付けで売却できたのは不幸中の幸いだったと思っています。

そして、優待株の中には10倍になる銘柄もあれば、優待が廃止されて大きく下がる銘柄もあります。それでも私は、基本的に損切りはせず、優待がなくなったからといって、慌てて売ることもしないですね。

1年ほど前、兼業投資家のみきまるさんとネットで対談したのですが、「一般的には、優待が廃止されたらすぐに売った方がいい」と言われました。でも私は、それができないんですよね。「売ったら申し訳ないな」と思っているうちにどんどん下がっていく……そんな失敗もよくあります。

とはいえ、優待をやめても再開する会社もありますし、業績が回復することもあります。ですから、私は優待株の長期保有を基本とし、広く分散して楽しみながら投資を続けているのです。

教えてくれたのは……桐谷広人さん

1949年広島県出身。将棋棋士・投資家。日本テレビ系バラエティ番組『月曜から夜ふかし』に出演し、現金を使わない「株主優待生活」が話題になった。現在はテレビや講演会、雑誌などで幅広く活躍。『日経マネー』(日経BPマーケティング)、『ダイヤモンドZAi(ザイ)』(ダイヤモンド社)で連載中。

※紹介している内容は、2025年1月8日に収録した動画から、一部抜粋して編集したものになります。
(文:All About 編集部)

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  • なんだかんだ言っても「株」は博打です。『利益を出している人は、損切りをしない』⇒損切りは証券会社の利益を確定させる行為。なので、屁理屈を付けて顧客に自分たちの利益の為に損切りを推奨して居る。
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