
「目薬を保管するとき、防虫剤や湿布薬の近くに目薬を置かないで!実はこれらに含まれる揮発成分が、目薬の容器を通って点眼液に溶け込み、目の角膜に傷が付いたり、悪影響を及ぼす恐れがあります」
えっ?!そんなに影響あるのか、と驚いたドクターK@眼科医パパさん(@doctorK1991)によるXへの投稿。湿布薬の成分が混入するかもとは、なんて恐ろしい!
「目薬、薬箱にしまっているけど、湿布も一緒だぞ!」
「目薬を保管する際は気をつけよう」
「2024年から小袋が付かなくなっちゃったので注意ですね〜」
コメント欄には「知らなかった!!」という声が集まりました。以前『油性ペンでボトルに直接文字を書かないで!』 ということはまいどなニュースでも紹介していますが、薬の保管は、気づかずNG行為をやらかしているかも……ドクターK@眼科医パパさんに、詳細を伺いました。
|
|
薬箱の中での保管は注意が必要
ーー「防虫剤や湿布薬の近くに目薬を置かないで」とありましたが、この成分が目薬に混入すると、どんな危険がありますか?
「防虫剤の成分などが混入すると、重篤な角膜障害になることもあります。薬箱の中で消毒液や湿布薬も、目薬の近くに一緒に入れるのはやめてください。目薬はなるべく単独で保管しましょう」
ーー角膜に傷が付くとどうなるんですか?
「角膜に傷がつくと痛み・異物感・涙目・充血・視力低下などの症状が現れます。場合によっては、角膜炎や角膜潰瘍に進行することもあります」
ーー油性ペンで直接ボトルに書くこともNGなんですね。目薬を処方されると、開封日時とか、家族間で間違わないように名前など、油性ペンでボトルに直接書いてしまいがちですが…!
|
|
「揮発成分が、目薬の容器を通って点眼液に溶け込み、目に角膜に傷が付いたり、悪影響を及ぼす恐れがあります。基本的には蓋も避けたほうがよいです。とくにキャップが密閉に関与している場合は、そこから揮発成分が中に入りやすくなるリスクがあります」
ーー以前は目薬を処方されると、小さな小袋に入っていましたが、最近そのまま渡されることが増えたような……
「環境負荷低減のため日本眼科用剤協会では、プラスチック使用量削減の観点から、2024年夏から点眼薬用の添付投薬袋の削減を進めています(※1)。ただ、遮光や水分蒸散防止な必要な点眼薬は袋が一緒に渡されます。小袋がなくなった分、直接ボトルにマジックで書きたくなるところですが、注意してくださいね」
ーー基本的な目薬の保管は、どうするのがいいですか?
「直射日光・高温多湿を避けて、室温(1〜30℃)で保管するのが基本です。ただし『冷所保存』と書かれている場合は、冷蔵庫に入れる必要があります」
|
|
ーー1〜30℃が基本であれば、とりあえず冷蔵庫へ入れておけば安全ですか?
「そうでもありません。『冷所保存(1〜15℃)』と書かれていればOKです。でも、室温保存タイプを冷蔵庫で保存すると、濁りやオリが出る可能性もあるため注意が必要。冷蔵庫の冷却板に直接当たるのも冷えすぎてしまうのでNGです」
ーーほかに注意事項はありますか?
「香水、除光液なども揮発性の強い成分が含まれており、目薬の成分に溶け込んでしまう可能性があります。化粧ポーチに入れて持ち歩く際は、一緒に入れるものにも注意しましょう」
あれこれさまざまな薬をしまい込みがちな薬箱の中は要注意ですね。湿布や消毒液などとは、分けて保管しましょう。持ち歩きのポーチも、香水と一緒にならないよう気をつけましょう。
◇
ドクターK@眼科医パパさんこと栗原大智さんは、先日『スマホ時代の「眼」メンテナンス』(高橋書店)を出版。間違った知識、気になる症状の予防・治療法、目のセルフチェックとセルフケア法をイラスト付きでわかりやすく解説。
(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・東寺 月子)