
2021年、Xユーザー・保護犬レオさん(@reo20211031)と娘さんは、譲渡サイトを見ていたときに1匹の犬に目が留まりました。娘さんは「シッポがキツネみたいなイケメンわんこがいる」と心惹かれたといいます。それが、推定1歳の元野犬「レオ」くんでした。
【写真】お散歩に行けるまで5カ月かかりましたが…今ではこの笑顔♪
「お迎えするなら保護犬を」と考えていた飼い主さん家族は、早速、保護施設に連絡。レオくんに会うため、動物保護団体が運営する施設を訪れました。
「初めてレオと会ったときは、とても怖がって近寄ってくれませんでした」
怯えるレオくんの姿を目にし、「おうちに慣れてくれるだろうか」と不安になったという飼い主さん。施設の方によると、レオくんは生後6カ月のころに施設へやって来たそうです。
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「もしこのまま譲渡先が見つからなければ、当時レオのトレーナーをされていた方がお迎えすると聞きました。警戒心は強かったものの、すでにレオのことが気になって―。『我が家でお迎えして、幸せにしたい』と心が決まりました」
こうして、レオくんは飼い主さん家族のもとで新たな“犬生”を歩み始めました。
5カ月かけて散歩デビュー!レオくんが少しずつ見せてくれた成長
家に迎えたあとも、レオくんの強い警戒心はすぐには解けませんでした。小さな物音さえも敏感に反応していたそうです。それでも飼い主さん家族は、根気強く少しずつ、レオくんとの距離を縮めていきました。
「家に来てしばらくは怖がらせないように、目を合わせずレオに背中を向けていました(笑)。極度の怖がりで、家の中でも少しの物音に敏感でシッポが股の間に巻き込まれていました。今でも些細な音にもびっくりしています」
少し慣れてきたように見えたレオくんですが、数カ月経っても用を足すためにトイレへ行くとき以外は、クレートの中に引きこもっていたといいます。
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「施設の方に相談して、昼間は部屋に慣らすため、クレートに段ボールでフタをして入ることができないようにしました」
散歩に出かけられるようになるまでには、さらに時間がかかったそうです。
「ようやく散歩に行けたのは、お迎えしてから5カ月ほど経ってから。当時は、一生散歩に行けないのではないかと、途方に暮れて悩んだこともありました。今ではシッポをフリフリしながら散歩するように。また、お気に入りの散歩コースもできました。見晴らしのいい田んぼ道を歩くのが大好きです」
家に慣れてくると、少しずつレオくんの成長が感じられるようになったといいます。
「私が帰宅すると『クゥン』と甘えた声で鳴いてくれるほど成長しました。『ワン!』と吠えたことは一度もありません。ある業者さんが家に来たときは、しばらくレオの存在に気付かなかったくらいおとなしい子です。寝言で小さく吠えたときは、とてもうれしかったのを覚えています」
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飼い主さんにとっても、レオくんと暮らすようになって日常に変化があったそうです。
「仕事で疲れて帰ってもレオがいてくれるので癒やされます。レオの表情や動きで家族みんなを笑顔にしてくれるのです。お迎えしてからは、外出していても『レオが留守番してるから早く帰らなきゃ』と気になるようになりました」
出会えた奇跡に感謝—今ではシッポを振って駆け寄る日々
レオくんは現在3歳を迎えました。
「精悍な顔つきと19kgという体格の良さもあって、ときどき怖がられることもあります。でも、とても臆病で小さなお子さんを怖がります」
家の中でも、日常のちょっとした音に驚くそうです。
「ティッシュを取る音にもびっくりするんです。かかりつけの動物病院の先生には『この怖がりはもう性格だね』って言われました(笑)。病院やシャンプーに行くときは、あまりにも怖くて毎回駐車場で粗相をしてしまいます。人が多い場所も苦手ですね。施設の方からも『ひとりが好きな子』と言われていました。家でも自分の寝床が一番落ち着くようです」
改めて、飼い主さんはレオくんとの出会いをこう振り返ります。
「娘がレオを選んでいなかったら出会えていなかったかもしれません。実は、私たちがレオの譲渡を申し込んだあと、別の家族からも申し込みがあったようです。そう考えると、本当にご縁があったんだなと思います」
今、レオくんはおうちで安心して過ごせるようになりました。もうお迎え当初の怯えていた頃とは違います。
「リビングではしゃいだり、名前を呼ぶとシッポをぶんぶん振りながら駆け寄ってきたり。少しずつ自分らしく過ごす様子が見られるようになりました。そんなレオに家族は毎日癒やされています。少しでも長く一緒に暮らせるよう、健康で長生きしてほしい。そのために、できる限りのことをしていきます」
(まいどなニュース特約・梨木 香奈)