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昨年の東京都知事選で、現職の小池百合子氏(72)に次いで初出馬ながら2位に食い込んだ元安芸高田市長の石丸伸二氏(42)。彼が率いる地域政党「再生の道」は、今回の東京都議選(6月22日投開票)で42人の候補者を擁立している。
「昨年の都知事選ではSNSを駆使し、“石丸旋風”とも呼ばれるほどの熱狂を生んだ石丸氏。当初は小池氏と蓮舫氏(57)の一騎打ちとの見方が強かったのですが、結果的に石丸氏が165万票の得票数で2位と躍進しました。今年1月に『再生の道』を立ち上げており、今回の都議選では党としての政策を掲げないという異例の方針を打ち出しています。石丸氏は、二元代表制の下では、議会は政策をぶつけ合うのではなく、執行部を適正に監視・評価することが本来の役割だとしています。候補者42人という数字は、都議会第一党の自民党と並んで最多ということもあり、注目を集めています」(政治部記者)
そんななか、6月16日に候補者の応援のため、東京・町田駅前に現れた石丸氏。選挙カーの上で、党の代表として熱を込めながら候補者を紹介していたのだが、途中、聴衆のなかからヤジが飛ぶ場面があった。
石丸氏はこれを、「面白い事象」だとして演説を中断すると、「さっきからあそこで奇声を発している人がいる。ほぼ100パーセントみんな意識してるけど、“なかったもの”として扱ってるじゃないですか」と指摘。そして、笑みを浮かべながら、“声の主”に対してこう呼びかけた。
「ここにいる皆さんは、私たちの話を聞きに来ているだけです。あなたの話を聞こうとしてる人は誰もいません。一人もいないので。いや、辛くないですか?それって。辛いですよね。なので、ご自身のあるべき場所で、あるべきことをされた方がいいと思います」
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それでも野次はやまず、石丸氏は「世の中の不変の真理を、せっかくの機会なのであなたにお伝えします」と前置きし、こう訴えた。
「“世の中に不満があるなら自分を変えろ”。それしかないんです。頑張ってください。以降、“いない者”として扱います。申し訳ないです」
この発言に聴衆からは拍手が送られ、Xでも一連の様子が動画で拡散。演説の妨げになる発言を制止するのは正しいといった声も上がったいっぽう、政治家が有権者に対して「世の中に不満があるなら自分を変えろ」と訴えたことを疑問視する声が上がった。
《なんで石丸伸二に「自分を変えろ」と言われてんだ(笑) 石丸が言うかね》
《石丸さんは啓発本レベルの話してるんすかね?政治の話なのに自分を変えろってのはおかしな話だと思いますよ。政治家に都合が良すぎます》
《世の中を変えるのが政治家の仕事なのに自分を変えろとか言ってる政治家なんて絶対支持しないでしょ》
《あんたに言われたーないって感じでは。自助の論理じゃ政治家いらねーじゃん。税金とんなよって話になるぞ》
「“世の中に不満があるなら自分を変えろ”、実はこれ、人気SFアニメ『攻殻機動隊STAND ALONE COMPLEX』に出てくる有名なフレーズなのですが、石丸氏は作品に思い入れがあるようで、昨年の都知事選の演説でも『座右の銘』として紹介していました。
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ただ、有権者は“世の中に不満”があるから政治家に一票を投じるわけで、『再生の道』の候補者の中にも、そのような不満を解消するために名乗りを上げた人もいるでしょう。それなのに、党の代表でもある石丸氏から、選挙を目前にしたタイミングで、“自分を変えろ”と突き放すような言葉を発されてしまっては、有権者は誰に思いを託せばいいのでしょうか……」(前出・政治部記者)
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