ヤマハ・ファクトリー・レーシングのテストライダー兼ライダーパフォーマンスアドバイザーに就任したアンドレア・ドヴィツィオーゾ 6月19日、ヤマハ発動機はヤマハ・ファクトリー・レーシングが、アンドレア・ドヴィツィオーゾをテストライダー兼ライダーパフォーマンスアドバイザーに任命したことを発表した。
ドヴィツィオーゾは、2001年にロードレース世界選手権125ccに1度出場し、翌2002年からフル参戦を開始させたイタリア人ライダーで、2004年にはチャンピオンに輝いた。その後、250ccを経て2008年からはMotoGPクラスに昇格してホンダ、ヤマハ、ドゥカティで活躍を続けた。ドゥカティ時代はシングルフィニッシュや表彰台の常連となり、最高ランキングは2位を獲得。
2020年にはシートを失ってしまったが、2021年にヤマハから復帰して2022年の途中まで戦い、シーズン中に引退を決断した。ロードレース世界選手権に参戦した21年間で346戦に出場し、通算20度のポールポジション、103度の表彰台、24度の勝利を挙げるなど功績も認められ、2023年にはMotoGPレジェンドとして殿堂入りもしている。
そんな彼はMotoGPにおけるプログラム強化に力を入れているヤマハと2025年から2027年までの3年契約を締結し、テストライダー兼ライダーパフォーマンスアドバイザーに任命された。ヤマハの一員としてMotoGPマシン開発の促進、さらに新設されたライダーパフォーマンスアドバイザーの役割も担い、パフォーマンスデータの分析と伝達をサポートして、MotoGPライダー4名とエンジニアリングチーム間のコミュニケーション強化に努めるという。
今後はテストライダーとしてプライベートテストセッションに参加し、ヤマハのプロトタイプ開発にも直接貢献していくことになる。さらにワイルドカード参戦や時には代役参戦等でも、グランプリでもドヴィツィオーゾの走りをまた見ることができるかもしれない。経験豊富な彼の起用がヤマハにどのような効果を与えるのか、今後注目だ。
■アンドレア・ドヴィツィオーゾ
「ヤマハ発動機との新たなパートナーシップを正式に発表できることを大変嬉しく思うよ。これは、相互の信頼と尊敬に基づく関係における重要な一歩となることを確信している。ヤマハとともに定めたこの重要なプロジェクトへの貢献を最大限に高める役割に、僕はとても満足していルンダ。テストライダーとライダーパフォーマンスアドバイザーという両方の立場において、開発プロセスに関わる様々な関係者をつなぐ重要な役割を担っていると考えているからね」
「僕の目標はサーキットとガレージの両方での経験を活かし、ライダーやチーム、そしてクルーの間で強力な相乗効果を生み出すことだ。この道のりは、多くの細部に注意を払う必要があることも十分認識しているけれど、達成したい結果についても明確なビジョンを持っているし、そこに到達するためにどれだけの献身が必要かも理解しているよ」
■パオロ・パヴェジオ(ヤマハ・モーター・レーシングのマネージング・ディレクター)
「アンドレア(・ドビツィオーゾ)と当社は長年にわたり強力なパートナーシップを築いてきた。この度、Yamaha Factory Racing MotoGPとさらに3年間の契約延長が決定したことをうれしく思うよ。彼は卓越したライディングスキルを持つMotoGPレジェンドであるばかりでなく、技術的知識が豊富で、エンジニアへのフィードバックも的確だ。そのためテストライダーとして理想的な存在となっているけれど、当社のMotoGPプロジェクトにおいては、その才能をさらに活かすチャンスがあると考えたんだ」
「テストライダーとしての契約はMotoGPマシンの開発プログラムに非常に有益であることは間違いない。そして“ライダーパフォーマンス・アドバイザー”という新しい任務にも大きな期待を寄せているよ。当社は彼を通して貴重なデータを収集し、4名のMotoGPライダーとヤマハ・エンジニアとの間で効率よく知見や考え方を共有できるようになるんだ」
[オートスポーツweb 2025年06月21日]