


受験生のエイタに、カイトは世の中の厳しさを説いています。しかしエイタが負けじと言い返して言い合いに。夫は苦笑いしながら「まあまあ」となだめていました。すると夕食後、エイタがカイトに向かって意外な話を振ります。




カイトに彼女がいたなんて知りませんでした。しかもいずれ一緒になることも考えているような言い方です。けれど私が「一緒に連れてきたらよかったのに」と言うと、カイトはなぜか口ごもりました。「紹介しようか迷ったんだけど……」


自分の仕事ぶりを自慢げに話すカイトを、弟のエイタは冷静に受け流していました。夫もただ苦笑いしながら聞いているだけ。私が必要以上にトゲトゲしく感じすぎているのでしょうか? カイトの言うとおり、メンタルの弱っている私が家の空気を暗く重たくしてしまっているのでしょうか……。
そして彼女の話になると、カイトは今回一緒に連れてこなかった理由を話したのです。母親におかしな印象を持たれかねないから、紹介するのはやめておいたと……。私は「彼女に会わせられないような母親」なの!? そんなふうに思っていたなんて、正直ショックで傷ついてしまったのでした。
【後編】へ続く。
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