
男女ともに日本の未婚率は上昇傾向にある。背景として、経済的な不安や出会う機会の減少、結婚に対する価値観の変化などが挙げられるが、未婚率の上昇は現代の日本社会における深刻な問題のひとつと言われる。
そんな状況とは反して、婚活市場は急激に拡大しているとも。
「2024年にリクルートが行った調査によると、婚姻者のうち、婚活サービスを通じて結婚した人の割合は2009年が約3%なのに対し、2023年は約15%と飛躍的な増加率となっています」(マーケティング業界関係者)
“ハイスペ男性”が相談所に行く理由
拡大する婚活市場の今について、日本結婚相談所連盟(IBJ)加盟の結婚相談所『メルティア』メインカウンセラーの前田なおかさんが解説する。
「結婚相談所というと“結婚できない人が最後に駆け込む場所”というイメージがあるかもしれませんが、決してそんなことはありません。IBJの調べによると、IBJに登録している男性会員の87%が年収500万円以上。日本の平均年収が460万円ほどですから、平均以上の収入がある男性会員がほとんどなのです。
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女性が相手の条件としてよく口にする“年収1000万円の男性”は会員の11.4%で、結婚相談所には“ハイスペックな男性”が多いのです。この点が、世間が抱いているイメージとの最大のギャップではないでしょうか」
なぜ、ハイスペックな男性が結婚相談所に行くのか。前田さんはこう答える。
「大手企業に勤める男性の中には“結婚しないと昇進に影響するから相談所に登録した”という場合もあります。良家出身の男性で“家族から早く身を固めなさいと言われたが、身近な人と恋愛する気は起きない”という人も。男性会員の入会理由はさまざまですが、“結婚ができず、最後の頼みの綱として結婚相談所を利用する”というケースが大多数ではありません」
結婚相談所は、月額の会費が5000円から2万円ほど。成婚に至った場合は、登録している相談所に成婚料として、さらに5万円から30万円を払う。それと比較すればマッチングアプリは割安で、実際にアプリを通じて出会って、結婚したカップルも今や少なくない。それでも前田さんは「マッチングアプリは本当に結婚したい人にとっては不向き」と断言する。
20代女性のほとんどが年収1000万円の男性とマッチ
「マッチングアプリでは、職業や年齢を詐称している男性が少なくないし、自称・医者や自称・弁護士がゴロゴロいます。そういう人といい関係になったとしても、その人の素性を確かめるための時間や労力が相対的にもったいない。その点、結婚相談所は登録の際に、年収や居住地、職業、資産などを証明するための書類を提出することが必須です。独身証明書、現住所証明書、卒業証明書、収入証明書、資格証明書といった複数の書類を提出していただきます。自称・医者、自称・年収1000万円、自称・独身という男性は絶対にいないのです。
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男性側も結婚するために安くない会費を払っているので、結婚する気がないという人もいません。男女お互いに結婚願望があるなら、マッチングアプリよりも若いうちに結婚相談所へ登録するほうが確実だと思います」
結婚相談所とは縁遠いと思われがちな20代の女性こそ、結婚相談所へ行ってほしいと前田さんは続ける。
「20代のうちは身近な人と恋愛して、30代になっても結婚相手が見つからなければ結婚相談所に行こうかな、と考えている女性は多いのではないでしょうか。しかし、20代と30代では婚活の“苦戦度”が大きく変わるのが現実です。30代の女性は、20代女性と比べるとお見合いの申込み数が減り、会えるお相手の数が減ってしまいます。『メルティア』では、20代女性のほとんどが年収1000万円の男性とマッチしています。若いうちから結婚相談所でお相手探しをすることで、たくさんの男性と出会う機会があり、より素敵な結婚相手が見つかると私は思います」
“結婚相談所は結婚できない人が行くところ”という認識はもう古く、今は“より理想的なパートナーを探すための場所”に変化しているようだ。
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