ノーベル賞 坂口特任教授生出演 発見から30年「制御性T細胞」とは【ひるおび】

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2025年10月07日 14:42  TBS NEWS DIG

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ノーベル生理学・医学賞の受賞が決まった大阪大学の坂口志文特任教授が、一夜明けて「ひるおび」に生出演しました。

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恵俊彰:
先生おめでとうございます。昨日はお休みになれましたか?

大阪大学 坂口志文特任教授:
いろいろな方からお祝いのメールをいただいてそれを見ておりましたら、本当に寝る時間が少なくなっちゃいました。

恵俊彰:
本当にお忙しいところすいません。今日は限られた時間ですが、いろいろとお話を聞かせていただきたいと思います。

発表は30年前「制御性T細胞」とは

我々の体にある「免疫細胞」は、通常ウイルスに感染した細胞などを攻撃して病気を防いでくれます。
ただ、免疫細胞が働き過ぎると正常な細胞にも攻撃し、疾患の原因となってしまいます。
坂口教授らによって発見された「制御性T細胞」は、免疫細胞の過剰な働きにブレーキをかけるブレーキ役です。
リウマチや1型糖尿病、がん治療などへの応用が期待されています。

大阪大学 坂口志文特任教授:
ウイルスとか細菌に対する免疫反応は起きて欲しいものですけれども、同時に自分に対して免疫反応がおきると、「関節リウマチ」や「1型糖尿病」などの自己免疫病になります。
また、過剰に花粉に反応しますとアレルギー、花粉症などが起きます。そういうときに、免疫反応を抑えることに特化したリンパ球として、「制御性T細胞」を見つけたということになります。

恵俊彰:
見つけたのは何年前ですか?

坂口志文特任教授:
私がこういう研究を始めたのは1980年代からなんですけれども、「リンパ球の中のこういう顔をしたやつが制御性T細胞である」という論文を発表して今回の受賞の理由になったのが1995年ですから、今から30年くらい前になります。

恵俊彰:
30年前に発見されたものが今こうやって評価されるんですね。

コメンテーター 関根麻里:
そうですね。ひとつひとつ続けていって・・・。
私は花粉症で悩んだりしているので、ゆくゆくは楽になる日が来るという、そういう近い未来が待ってるんですよね。

恵俊彰:
昨日、石破総理との電話で(がん治療に役立つのは)20年後ぐらいとおっしゃっておりましたけれども。

坂口志文特任教授:
はい。それくらいのスピードで研究は進んで、人への応用が進んでいくと。
そういうタイムテーブルで集中して研究すべきと思っております。

妻と二人三脚で研究 免疫に着目した理由は

当初研究には、皮膚科医である妻の教子さんとともに取り組んだといいます。

恵俊彰:
奥様はどのようにお話されていましたか?

坂口志文特任教授:
受賞の電話をいただいたときにそばにおりましたので、電話の内容から何が起きたかということをわかってくれたようです。喜んでくれたと思います。

恵俊彰:
やっぱり奥様のお力があったからこその受賞ということですよね。

坂口志文特任教授:
はい。そのように言うべきだと思っております(笑)

恵俊彰:
医者を目指したきっかけは何だったんですか?

坂口志文特任教授:
私の親戚、母も含めて医者の家から来ておりましたので、いとこなども医者が多く、ゆくゆくは地域医療にでも貢献できたらと思っておりました。

恵俊彰:
免疫に着目したきっかけはあったんですか?

坂口志文特任教授:
免疫って私たちの体を守るんですけれども、その同じものが自分を攻撃する。
やっぱりそれって不思議なことだったんですね。
例えばケガをして出血してそこで血が固まる。しかし、同じ血が固まるということが血管の中で起きたら脳卒中になるわけです。そういう二面性のある現象は医学にたくさんありまして、その後ろにある何か重要な原理が知りたかったということです。

恵俊彰:
基礎研究は本当に時間もお金もかかると思います。諸外国と比べて、日本の環境についてどのように感じていますか?

坂口志文特任教授:
日本は資源もそんなにないですから、研究に力を入れるのは重要なことだと思います。
財政的な支援も必要ですし、研究している人たちのポジション、大学などの組織の面での支援も日本の科学にとって重要かと思います。

弁護士 八代英輝:
多くの若い方が先生の受賞を受けて自分も頑張ろうと励まされたと思います。メッセージをお願いします。

坂口志文特任教授:
何かをやろうとするときに、何事もちゃんとやれば時間がかかります。
最近のご時勢のように、何かやればすぐ結果が出るものを目指すのもいいんですけれども、自分の興味をしっかり持続させて、それを続けていくうちにいろんなことに巡り合って人生が豊かになる。
そういうことになるのがよろしいかと思います。そういう意味で、若い人には頑張ってほしいと思っております。

(ひるおび 2025年10月7日放送より)
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<プロフィール>
坂口志文氏
ノーベル生理学・医学賞「制御性T細胞」を発見
大阪大学特任教授

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  • バイオハザード...Σ(゚Д゚;≡;゚д゚)(まぁ、あれはT-ウィルスでしたね。タイラントウィルス...か。
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