
アメリカとイランの停戦合意から既に1か月、戦闘終結に向け水面下の交渉が続いています。こうしたなか、アメリカの新たな作戦をきっかけに両国が交戦状態となり、緊張が高まりましたが、それでもなおトランプ大統領は「停戦は続いている」と語りました。なぜなのでしょうか。
膠着状態が続くイラン情勢 ホルムズ海峡で韓国貨物船攻撃で高まる緊張トランプ氏のSNS(1日投稿)
「私にはあらゆるカードがある」
カードゲーム「UNO」の手札を見せびらかし、不適な笑みを浮かべるトランプ大統領。優位に立っているとイランを挑発しましたが、イラン側もAI動画で対抗。
膠着状態が続く中、トランプ氏はペルシャ湾内の船舶を、ホルムズ海峡から安全に脱出させる「プロジェクト・フリーダム」を4日から始めると宣言。アメリカ軍が“誘導”し、イランの封鎖を突破しようというのです。
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これにイランは猛反発し、アメリカ艦船を攻撃しました。
韓国YTN(5日)
「ホルムズ海峡で停泊していた韓国船舶が攻撃を受けたとみられ、爆発と火災が起きました」
そうしたなか、韓国の貨物船で爆発。アメリカ側は「イランが攻撃した」として、逆にイランの小型船6隻を撃沈したと発表。緊張が一気に高まりました。
この日、何が起きていたのか。衛星画像や公開情報を分析している東京大学の渡邉教授は...
東京大学大学院 渡邉英徳教授
「フリーダム(作戦)中にタンカーが次から次へ南に向けて逃げてます。事前の予告的に、ここにいると危険だからということで、この海域から退避せよとイラン側が命令を出して、それに従ってこの海域からいなくなってます」
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東京湾に入港していたのは、ホルムズ海峡を迂回するルートで原油を運んできた超大型タンカーです。UAEのフジャイラは海峡の外側にあり、戦闘の影響を受けずに積み出し出来る港として重要度が増していましたが、アメリカ軍が通航を“誘導”する作戦の開始を発表すると...
東京大学大学院 渡邉教授
「フジャイラの港の沖合のアンカレッジ(投錨地)ですね。そこにたくさんタンカーが停泊していて、これが平常の状態ですね。たくさんの船がいて港が機能しているとわかると思います。これしばらく見ていると異常な動きが起きて、港の前、空白になってしまったのですが、おそらくはUAE側が(自国への)攻撃を避けるために、GPSの電波をかく乱してる」
GPS情報が乱れたのは、4日。いったい何が起きたのでしょうか。
イランによるとみられる攻撃で港は炎上。自国が標的になるのを避けるためUAEが妨害電波を出していた可能性があるというのです。
トランプ氏「停戦は維持」強調 米中首脳会談で事態は進展するか安全な脱出を支援するとした「プロジェクト・フリーダム」はリスクを高め、開始からわずか1日、トランプ大統領は作戦を一時中断すると発表しました。
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しかし、その後もホルムズ海峡での衝突は続き、7日、イラン軍がアメリカの駆逐艦を攻撃。アメリカ軍も反撃し、イランの軍事拠点の島などを攻撃する戦闘に発展したといいます。
さらに8日には、オマーン沖でイラン船籍のタンカー2隻を攻撃したと発表。イラン側は停戦違反だと反発しましたが…
――イランとの停戦はまだ続いている?
トランプ大統領(7日)
「続いている。今日イランは小細工をしてきたが、粉砕してやった。つまらない挑発だ。彼らはわたしより取り引きしたがっている」
小規模な戦闘が続いていても「停戦は維持されている」と強調する背景には、14日からの米中首脳会談があるとみられます。
アメリカとイラン双方が橋渡し役を期待する中国。6日にはイランのアラグチ外相が北京を訪問し王毅外相と会談しました。
現在、アメリカは戦闘終結に向けた覚書の案をイラン側に提示し、回答を待っている状態。米中のトップ会談で事態は進展するのでしょうか。
