「お父さんは大丈夫だから。頑張りなよ」キンタロー。を泣かせた介護施設に入居した父の言葉

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2024年08月16日 11:01  web女性自身

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革新的なアイデアでモノマネのレパートリーを次々増やし、再ブレークしているキンタロー。(42)。順風満帆に見える芸人人生の裏には、亡き父に対する切実な思いがあって――。



「先輩芸人のみなみかわさんは松竹芸能を初めて円満退所されたそうなんですが、私は、“松竹芸能48”を、史上初、円満卒業しました!(元AKB48の前田敦子さんのモノマネ口調で)」



お笑い芸人のキンタロー。さんは、12年間在籍した松竹芸能を今年3月に退所した。



フリーになってから出演した『千鳥の鬼レンチャン3時間SP』(フジテレビ系)の恒例企画「サビだけカラオケ」では、アンジェリーナ・ジョリー、マリオのドッスンなどに扮して、カラオケに挑戦した。その様子が「涙が出るほど面白い」と大バズり。



デビュー当時は前田敦子さんのモノマネの印象が強かったが、最近は新ネタが次々ヒット、SNSのフォロワーも今年に入り2倍近くになった。その再ブレイクぶりはすさまじい。



小学生のころから芸人になりたいと思っていたキンタロー。さん。初めてのモノマネは、“お父さんのくしゃみ”だったという。



「毎朝お父さんが洗面台でするくしゃみがあって。妹に『お父さんのくしゃみってこうじゃない? ブラッホン!!』ってマネをしたら笑ってくれたんです。妹は5歳差で、年が離れていたので、どうにか気を引きたくて。父のネタは『わかる!』って寄ってきてくれて、うれしかったです」(以下、キンタロー。さん)



芸人を目指すキンタロー。さんは、関西の短大に在学しているときに吉本新喜劇のオーディションを受けることになる。



「オーディションで『きつねうどんをおもしろく注文してください』というお題があって。社交ダンスを踊りながら、時間をかけて注文したら、ウケたんです。それで吉本新喜劇に合格できたんですが……。



私は当時、ダンス部に在籍していて、好きだった先輩に『ダンスかお笑い、どっちかにせぇ! そんな中途半端なことをするな!』って怒られて。それで男を取って、新喜劇は辞退しました」



短大卒業後は社交ダンスの講師をやっていたキンタロー。さん。しかし2007年に母親を亡くし、父親も体調を崩したため、地元の愛知県に戻ることになった。



「お母さんが亡くなった後、お父さんのメンタルがやられちゃってて。お酒は飲まないほうがいいんですけど、こそこそ飲んじゃうんです。ほかにも、勝手に出かけて衝動買いで車を買ったり、借金して隣の土地を買っちゃったりして。少し目を離すと、とんでもないことをするから、つきっきりで介護していました」



数年後、要介護度が上がったため、父は介護施設へ入所することに。



「自分の時間が持てるようになって、一度きりの人生、まだちゃんと向き合ってなかった芸人の夢に挑戦したいと強く思いました」





■ついに芸人の道へ 背中を押した父の言葉



「天国にいるお母さんのために、頑張っている姿を見せたい」と再び夢を追い、2011年に松竹芸能タレントスクールへ入学。翌年に松竹芸能に在籍し、その年末に放送された『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ系)内の『細かすぎて伝わらないモノマネ選手権』で優勝したことをきっかけに、わずか芸歴1年目でブレークを果たす。



しかし当時、自身が芸人になったことを父親に伝えていなかったという。



「前田敦子さんのモノマネには批判の声も多く、お父さんが傷つくのではと、なかなか言い出せませんでした。



久しぶりに施設で面会したとき、勇気を出して、『実は芸人やってて、名前も売れ始めてる。笑点(日本テレビ系)にも出たんだ』って言ったら『知ってたよ』って。



『心配しなくていいよ。お父さんは大丈夫だから。頑張りなよ。やりたいことだったでしょ』って言ってくれて……。泣けました」



妊娠・出産の休養期間を経て再ブレークしたキンタロー。さん。



再ブレークの要因は、芸能人以外のキャラも積極的に演じる、レパートリーの広さにあるといえるだろう。



その中の1つ「天才子供トランぺッター」を始めたきっかけには、意外な思いが隠されていた。



「感動したんですよ。コロナ禍の2022年に開催された、北京オリンピックの開会式で、『あんなに小さい子が、大舞台で胸を張ってラッパを吹いてる』と思って。『これはみんなに知らせなくちゃいけない!』と使命感に駆られてネタをやりました。自分の悪い癖で、笑わせたいという思いも、前面に出てしまってますけど(笑)」



そんなキンタロー。さんは2015年に、番組きっかけで知り合ったテレビディレクターと結婚。今では、2歳と4歳の女の子を育てる母だ。



「出演番組を一緒に見ていると、アンジーの『トゥームレイダー!』を子供がマネするんですよ。でもまだ完璧にできなくて、『ちゅんめる!』って言ってるのがかわいいです」



「孫はまだか」といつも心配していた父は、2015年に他界。孫の姿を見せることは叶わなかった。



「あまりに父が心配するので、結婚前は『ハワイの恋人がいるから安心して』と謎の嘘をついていたほど。娘たちが、ママを受け継いでちゃんとモノマネしているところ、天国の両親まで伝わっているといいなと思います」



2人の娘は、「ママに似て表情筋が豊か」とよく言われるそう。



父のくしゃみから始まったモノマネ芸人の道が、キンタロー。2世に伝わる日が来るかもしれない。



(取材・文:インタビューマン山下)

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  • 多分、モノマネをされる側の人より、死ぬほどダンスレッスンやボイトレしてるよ。99%の努力だと思うよ。
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