ＡＤＢ総裁に神田前財務官推薦＝浅川氏の後任―政府発表

　鈴木俊一財務相は１０日の閣議後記者会見で、アジア開発銀行（ＡＤＢ）の次期総裁候補に、日本政府として、神田真人前財務省財務官を推薦すると発表した。鈴木氏は「国際的な合意形成や国際機関運営の経験が豊富で、アジア太平洋諸国の事情にも精通しており、ＡＤＢ総裁に最も適任な人物だ」と理由を述べた。

　現総裁の浅川雅嗣氏は来年２月２３日付で辞任する意向を表明。神田氏は２０２１年から３年間財務官を務め、今年８月、内閣官房参与に就いた。

　神田氏は１０日、財務省内で記者団の取材に応じ、「身に余る光栄であるとともに、国際的な選挙を勝ち抜かなければならない重責だ」と語った。その上で、「浅川総裁は気候変動や感染症対策で素晴らしい業績を残した。さらにＡＤＢのアジア太平洋に対する役割を発展させていければと思う」と意気込んだ。