アクセントニッチにヌック…憧れのあのオプションも実は要注意? 床暖房や壁面収納など、住まいの質を高める住宅設備のオプション。住宅展示場やSNSではトレンドのオプションが目を引き、予算を超えてでも採用や検討に踏み切る人も少なくない。そんな中、住宅のプロが『付けても使わなくなる後悔オプション』を解説した動画が反響を集めている。投稿者で、家づくりの情報を発信する「HAPINICE(@hapinice)」こと、創業約60年の工務店社長・林拓未さんに話を聞いた。
【画像】プロが指摘、後悔する「住宅設備のオプション4選」
■SNSや展示場のキラキラしたイメージに要注意
――数百件の家づくりに携わってきたプロの視点から「オプション」を解説した『せっかく付けたのに全然使わない…無駄になった後悔オプション』、大変興味深く拝見しました。今回の動画では4つ(番外編のぞく)のオプションを紹介されていますが、こちらはどのような基準で選ばれたのでしょうか。
「家づくりの“正解”というのは、家族構成や環境などに左右されるため人それぞれ異なります。ある人にとっての『神設備』が別の人には『無駄設備』だった…そんなことも珍しくありません。それを理解した上で、今回の動画において選定基準としたのは『理想と現実のギャップ』と『失敗した時のダメージ』です」
――「理想と現実のギャップ」とは具体的に…?
「具体的には、SNSや展示場のキラキラしたイメージに惑わされてしまい、『実際の日常でどう使うか』が想像しにくいものですね。今回はそれらを中心に選んでご紹介してみました」
――ランキングについては、どのような評価順になっていますか?
「ランキングの順位は、主に『毎日受けるストレスの強さ』と『撤去や修正に多額の費用がかかる(あるいは構造上変更が難しい)もの』という点を基準に決めています」
■“映える”けど多くの人が後悔しがちなオシャレ設備
――今回の「後悔オプション」には、入らなかったものの、実は…という設備がございましたらぜひお聞かせください。
「『スケルトン階段(オープン階段)』と『海外製のレンジフード(換気扇)』でしょうか。『スケルトン階段』は開放感が抜群のオシャレな階段なのですが、階段に隙間があるため埃やゴミが下の階に降ってくるんです。また、そうした掃除の二度手間だけでなく『小さい子どもやペットが怖がって登れない』という誤算も多くて…。家族の成長や変化を考えると、慎重な判断が必要な設備だと思います」
――「海外製のレンジフード(換気扇)」は、あまり問題がなさそうに感じますが…。
「これは私自身の苦い実体験なのですが、故障したタイミングで既にメーカーが日本から撤退しており、修理不能になってしまいました。そんなこんなで現在どうなっているかというと、工務店代表の自宅でありながら、まさかの『換気扇なし』で毎日料理をしています(笑)。ぜひ私を反面教師にして、メンテナンス体制までしっかり確認してから導入を検討していただければと思います!」
――実体験に基づいたお話で非常に参考になりました(笑)。最後に、これから家を建てる人に向けて「オプション選び」で後悔しないためのアドバイスをお願いします。
「一番にお伝えしたいのは『SNSに振り回されないこと』です! スマホの中のキラキラした情報に惑わされず、まずは“自分たちの毎日の暮らし”をリアルに想像して、絶対に譲れない優先順位を家族で話し合い、シミュレーションをしっかりと行ってみてください」
――多くの人にとって初めての家づくり、冷静な視点を保つのはなかなか難しそうです。
「そんな時は、信頼できる第三者の意見を仰ぐことも大事だと思います。自分たちだけで盛り上がっていると見落としがちな『掃除の大変さ』や『数年後のリスク』も、住宅会社の人や家を建てたことのある友人なら、冷静にツッコんでくれるはず(笑)。“映え”よりも数十年後の自分たちが『この家でよかった』と笑って過ごせるかどうかを、一番の基準にして選んで欲しいですね」
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