倉庫に積まれた政府の備蓄米=1999年10月、東京都江東区 政府が備蓄米を最大で約21万トン放出する方針を固めたことが13日、分かった。2024年産の新米が出回ってもコメの高値が続いている背景には、調達競争の激化がある。主要な集荷業者が必要な量を確保できない状況に陥っており、政府備蓄米の放出で流通の目詰まりを解消するのが狙い。安定供給を通じた価格の安定が期待される。流通の円滑化を目的とした放出は初めてとなる。
14日に農林水産省が正式に発表する見通し。具体的には、1年以内に同等・同量を買い戻す条件付きで、入札を経て集荷業者に売り渡すことを検討している。
備蓄米放出は、これまで深刻な不作や大規模災害に限られていたが、農水省は1月末、円滑な流通に支障が生じた場合にもできるよう運用指針を変更。石破茂首相の指示などを踏まえ、放出に向けた準備を急いでいる。