協議に臨む自民、公明、国民民主各党の税制調査会長ら=18日午後、国会内 自民、公明、国民民主3党の税制調査会長協議が18日に行われ、自民は、所得税が課される年収の最低ラインである「103万円の壁」の見直しを巡り、年収200万円相当以下の人を対象に、非課税枠を160万円に拡大する案を示した。3党は19日に再協議する。
3党税調会長協議は昨年12月に中断して以来2カ月ぶり。新たな自民案では、低所得者ほど非課税の恩恵を受けられる仕組みとする。年収200万〜500万円の人も非課税枠を広げる。
年収200万円以下の場合、原則一律で適用される「基礎控除」に関し、従来の見直し案の58万円からさらに37万円上乗せする措置を恒久的に実施。会社員らの給与から差し引く「給与所得控除」の見直し分(65万円)と組み合わせると、課税水準は年収160万円に引き上がる。
年収200万〜500万円以下の人も物価高騰対策として、25、26年の2年間に限り基礎控除を10万円上乗せする。
協議で自民側は見直しに伴う減収額に関し、200万円以下のケースで400億円前後、200万〜500万円以下のケースで千数百億円程度になると説明。物価上昇を踏まえ、基礎控除の水準を随時見直すことも提案した。
協議後、自民の宮沢洋一税調会長は記者団に「生活が厳しい方への特例という考えを新たに加えた」と説明。一方、国民民主の古川元久税調会長は「国民生活に寄り添った内容になっていない」と批判。公明の赤羽一嘉税調会長は「200万円が妥当なのか党内で議論する」と述べた。
103万円の壁を巡り、3党幹事長は昨年12月、国民民主が主張する178万円を目指し25年から引き上げることで合意した。ただ、税調会長協議では123万円を提案した自公に国民民主が反発し、協議は中断していた。