都市部で夜に鳴くことが確認されたアブラゼミ(東京都立大の大沢剛士准教授提供) 自動録音装置でさまざまなセミの鳴き声を長期間観測したところ、都市部では夜間にも鳴く種がいた一方、街灯などがない緑地ではほぼ記録されなかったとする研究成果を東京都立大などの研究グループがまとめた。夜間照明やコンクリート構造物の拡大などに伴う高温の影響で、一部の種が活動時間帯を変化させている可能性を示唆しているという。論文は4月、日本生態学会の英文学術誌に掲載された。
研究グループは2024年6月下旬〜8月末、都立大の南大沢キャンパス(八王子市)、玉川大(町田市)、麻布大(相模原市)の3地点と、町田市内の保全緑地3地点に24時間連続で記録する自動録音装置を設置。1時間ごとに区切って周波数などを分析した。
その結果、6種のセミの鳴き声を確認。アブラゼミとニイニイゼミは都市部で昼間、夜間ともに鳴く一方、緑地では夜は録音されなかった。
これに対し、ミンミンゼミやヒグラシ、クマゼミ、ツクツクボウシは都市部、緑地のどちらも夜間の鳴き声はほとんど確認されなかった。
研究グループは「セミ類の都市化に対する感受性が、種ごとに異なることを示唆している」と説明。都立大の大沢剛士准教授(生態学)は「人間活動が生態系に及ぼす影響を、身近な生き物であるセミを通して広く知ってもらえたら」と話している。