いま「お面系バンド」が台頭中 マンウィズ、FACTらが人気の理由とは?

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2014年02月02日 19:30  リアルサウンド

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海外進出も目前に迫っているMAN WITH A MISSION。

 いま、狼や天狗などの“お面”をかぶって演奏するバンドが人気を博している。



(参考:オオカミバンドが来年全米デビュー 「海外進出の壁」を突破できるか



 狼のかぶり物をしていることでも注目を集めるMAN WITH A MISSIONは、3月12日にニューアルバム『Tales of Purefly』をリリースし、2014年の秋にはEpic Recordsより全米デビューが決定している。1997年から2010年にかけて活躍したBEAT CRUSADERSや、能面を被った姿で注目を集めるFACT。海外では以前から人気の高い、スリップノットやダフト・パンクといったグループもまた、広義の意味ではお面系といえるだろう。天狗のお面をかぶったThis is Not a Businessなどは、「オオカミの次は天狗バンド!」という公式ホームページの言葉や、「WITH A MISSION」という曲のタイトルから、明らかにこのブームに乗っかろうとしていることがわかる。



 いったいなぜ、これらのバンドやユニットはお面をかぶるのか。そしてそこには、どのような意味合いがあるのか。ライター・物語評論家のさやわか氏は、お面系バンドについて以下のように分析する。



「お面系バンドには二つの意味合いがあります。ひとつは匿名性を高めるということ。お面系バンドでテクニックがあったり、玄人好みな音楽をやっていると、いったい誰がやっているんだろう、という興味が湧き、ミステリアスな魅力が高まります。BEAT CRUSADERSなどは、そういった側面が強かったバンドではないでしょうか。もうひとつは、キャラクターを付与して、新たな魅力を生み出すということ。たとえば聖飢魔IIなどが『俺たちは悪魔だ』とか言うのがこれに当たります。そして最近、流行しているお面系バンドに関しては、後者の意味合いが強くなっている印象です」



 たしかに、ミステリアスであることで、より興味を持ってもらえる要素は大きい。では、キャラクター作りをすることが流行している背景にはどのような事情があるのだろうか。



「インターネットでニコニコ動画などが流行してから、マンガ的なキャラクターが歌っている、という体で作品を発表するミュージシャンが人気となっています。相対性理論やさよならポニーテールのようにイラスト主体のビジュアルを使うグループもそうですし、ボカロ作品で、キャラクターのイラストを描くのも、それに当たるでしょう。その動きと並行して、近年はアイドルのように『与えられたキャラクターを演じる』タイプのミュージシャンが人気を集めるようになってきました。そういった流行に乗るために、キャラ作りをするバンドが増えているのかと。しかしバンドの場合は、より自意識に対するこだわりがあるので、あくまでも『キャラ』としてやっているというのではなく、自分たちが演奏しているという側面を残しておきたいはずです。そこで彼らは、マンガ的な覆面を被ってキャラクターを付与しつつも、生身での演奏にこだわるという、いわば折衷案的な感じで現在のスタイルとなっているのではないでしょうか。MAN WITH A MISSIONなどは、その典型的なパターンかと思います」



 この流れはロックバンドにとどまらず、メンバーの中にお面を被ったものが一人だけいるSEKAI NO OWARIや、アイドルなのにお面を被っているアリス十番など、バンドの枠を超えつつある。インターネットの発展でキャラクター的なミュージシャンに人気が集まる昨今、マンガ的な面白みを持つお面系バンドは、今後ますます増加しそうだ。(リアルサウンド編集部)



このニュースに関するつぶやき

  • いやいや…FACTが一番でしょ!!っていうか日本でFACTが全然有名じゃないのが不思議でたまらない!!いま「お面系バンド」が台頭中 マンウィズ、FACTらが人気の理由とは? (リアルサウンド - 02月02日 19:30)
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