2017年F1マシンでのオーバーテイク減少をドライバーたちが懸念。「ほぼ不可能」との悲観的な声

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2017年03月29日 16:31  AUTOSPORT web

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2017年第1戦オーストラリアGP ニコ・ヒュルケンベルグ(ルノー)とフェルナンド・アロンソ(マクラーレン・ホンダ)
ルノーのニコ・ヒュルケンベルグは、今季F1開幕戦オーストラリアGPを走った感想として、オーバーテイクは「ほぼ不可能」だったと話した。同様に何人かのドライバーたちが、2017年規定による新型F1マシンでのオーバーテイクのチャンスについて、懸念を示している。

 2017年のマシンは前年と比べて高速化、ワイド化し、空力パフォーマンスも向上、ピレリの大型タイヤによりグリップも増している。

 決勝終盤、ヒュルケンベルグは前を行くフォース・インディアのエステバン・オコンより速さがあったにもかかわらず、どうしても抜くことができなかったと語った。ヒュルケンベルグは2回ストップで終盤はウルトラソフトで走行、オコンは1回ストップで40周以上をソフトタイヤで走った。

「(レース終盤)僕はウルトラソフトで走りつつ、彼がソフトタイヤで苦しむことを期待していた」とヒュルケンベルグ。

「でもそうはならないということはすぐに分かったよ」

「今年のマシンは後方の乱気流が大きい。だからオーバーテイクはほぼ不可能なんだ」

「僕の方が1秒以上速いタイムが出せたと思うが、それでも無理だった」

 レースの大部分で、ヒュルケンベルグとオコンはマクラーレン・ホンダのフェルナンド・アロンソを抜くことができずに後ろを走り続けた。しかしフィニッシュまであと数周のところで、ふたりはターン1への進入で圧巻のスリーワイドのバトルの末に、アロンソの前に出た。

 しかし、アロンソがミスを犯していなければそんなシーンは実現できなかったと、オコンは言う。

「僕とニコはフェルナンドよりかなり速かったが、それでも近づけなかった。タフだったよ」とオコン。

「彼はターン12の立ち上がりで小さなミスを犯した。それでなんとか近づいて抜き去ることができたんだ」

 レース後のチームの発表によると、アロンソはレース序盤からブレーキダクトにダメージを抱え、それが徐々に悪化していったということで、2台に抜かれた直後にリタイアしている。

 しかしヒュルケンベルグは、3台のバトルは今回の彼にとってのハイライトだったと考えている。

「あの瞬間、ものすごく速くなった。まるで飛んでいるみたいだったよ。すごく強力なトウが効いたんだ」

「(2台の後ろについて)トウがダブルになり、その上、DRSとフルパワーモードを使ったから、『うわーーーっ!』って感じだったよ」

■「2秒速くなければオーバーテイクはできない」

 フォース・インディアのセルジオ・ペレスは、1周目にダニール・クビアトをオーバーテイク、その後、アウトラップのカルロス・サインツJr.をターン3でアウトから抜き去った。

 しかしペレスは、先行するマシンについて行くことはできても、通常のコンディションにおいてオーバーテイクするには前のマシンを大幅に上回るペースが必要だと語った。

「オーバーテイクは(去年よりも)難しい。制動距離が短くなり、グリップで勝負するようなゾーンは減り、(タイヤの)デグラデーションも小さい」

「仮に以前は1.5秒のペース差があれば可能だったとしたら、今はおそらく2秒必要だと思う」

 こういった中団で戦ったドライバーたちと同様に、トップ集団のドライバーたちも懸念を口にしている。

 ルイス・ハミルトンは、オーバーテイクの問題は「たぶん過去最悪になっているだろうね」と話し、その状況は今シーズン中は変わらないだろうとの考えを示した。

 レッドブルのマックス・フェルスタッペンは、レース終盤3分の1の時点でキミ・ライコネンをとらえたが、前を行くフェラーリに「2秒差以内まで」近づいたとたんに苦しみ始めた。

■ライコネンとホーナーは「もう少し様子を見るべき」

 ライコネンは、長い目で見ることが必要だとし、F1でオーバーテイクすることが「そもそも容易になるはずがなかった」と話した。

「今はまだ1レース終わっただけだし、今回走ったのは通常のサーキットとはとてもいえない場所だった」とライコネン。

「シーズンが進むにつれて、(オーバーテイクが)比較的楽なサーキットも、逆に難しいサーキットも出てくる」

「だからこの後のいくつかのレースでどうなるかを見る必要がある」

 レッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーもこの意見に同意し、さらにこう語った。 「ここ(アルバートパーク・サーキット)は、もともとオーバーテイクが多くないところだ」

「次の中国とバーレーンを終えてからだよ。両方ともここよりはオーバーテイクが容易なサーキットだ。判断を下すのはその後だ」 

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  • やはり自動車レースで追い抜きシーンは一番の魅力。F1は全く見なくなったが、マシンが早いだけでは勝てないスーパーGTは毎回楽しみにしている。
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