DTMドイツツーリングカー選手権を運営するITR e.Vの新代表に就任したゲルハルト・ベルガーは、シリーズに参戦するアウディ、BMW、メルセデスベンツの3社が自身が代表に着くことを望んだと語った。
ベルガーは、長年に渡りITR e.Vの代表を務めてきた“DTMの父”こと、ハンス-ベルナー・アウフレヒトに代わり新代表へ就任。新規定を見据えて参戦台数が減少するなど、新たな局面を迎えたDTMの舵取りを行う。
アウフレヒトはITR e.V代表と、メルセデス・ワークス・チームHWAのボスというふたつの役職を兼任してきたが、ベルガーはこの状況がシリーズに悪影響を与えることはなかったとコメントしている。
「ハンス-ベルナー・アウフレヒトは、とてもフェアな人だった」とベルガー。
「シリーズに関わるすべての人とバランスを取っていた。彼にとってDTMは大切な子どものような存在だったからね」
「彼はある種の“ゲーム”に興じることはなかったし、メルセデスが有利になるように動くこともなかった」
「そして、私もどこかひとつのメーカーに肩入れするつもりはない。それに、アウディ、BMW、メルセデスの3社とも、私が新代表に就くことを望んだんだ」
「だから、私が職務をこなしていく上で、3メーカーからは充分な協力を得られると信じている。それと同時に、私もどこかのメーカーを優先するつもりもない。ニュートラルな状態で対処していく」
現時点で、DTMに大きな改革を行うつもりはないというベルガーだが、将来的にはスーパーGTを含め、同じようなコンセプトのGTカーレースと共闘していく意向を明かした。
「もちろんアイデアはある。しかし、今もっとも重要なのはシリーズへの理解を深めることだ。一定の水準まで理解を深めてから、プランを練り、実行に移す」
「他大陸のレースと同一規則で戦い、“同じ船”に乗ることは可能だと信じているよ」
■自身創立のFIAヨーロピアンF3もサポートする意向
また、ベルガーはITRe.V代表に就任したことで、自身がシリーズ創設に携わったFIAヨーロピアンF3にプロモーターの立場から関与していくこととなる。
なお、ヨーロピアンF3ではベルガーの前任者であるアルフレヒトと、彼の側近とも呼べるハンス-ユルゲン・アプトとウォルター・メルテスが重要職を務めている。
「今回はFIAシングル・シーター・コミッションの委員長としてではなく、シリーズプロモーターの立場からウォルターをサポートすることになる」
「具体的にどの面でサポートするかは答えられないが、ウォルターはここ数年、シリーズのために尽力してきた」
「そして、私はFIAにも親友が多い。具体的には(現FIAシングル・シーター・コミッション委員長の)ステファノ(・ドメニカリ)やFIA代表のジャン(・トッド)、そして(ドメニカリの側近である)フレデリック(・バートランド)といった面々だ」
「なんとかシリーズをサポートしたい。心からそう願っているよ」