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1月1日の「令和6年能登半島地震」から休館していた、石川県七尾市の「のとじま水族館」が、7月20日から営業を一部再開します。
●当面は特別料金で入館可能
地震により建物や設備などに大きな被害を受けた「のとじま水族館」では、イルカ、ペンギン、アシカなど9種63点の生き物たち(2月6日時点)を県内外の施設に緊急避難させるとともに、館内の魚類中心の生き物たちの飼育環境を保ちつつ施設の復旧に取り組んできました。
その結果、7月20日に一部営業を再開することが決定しました。ジンベエザメ、イルカなどの展示、イルカ・アシカショー、ゴーカートの営業は再開されませんが、当面は一般(高校生以上)1000円、中学生以下無料の特別料金で入館できます(通常料金は一般1890円、中学生以下510円)。
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営業再開初日は10時からの開館、21日以降は通常通り9時から開館します。「のとじま水族館」は公式サイトで、訪れる予定の人に、中能登農道橋(ツインブリッジのと)が今なお通行止めであるなど、周辺の道路状況が悪いため気をつけるよう呼びかけています。
再開まで大変だったことや20日から観覧できるコーナー、今後の予定について、同館の展示・海洋動物科 科長、加藤雅文さんに聞きました。
●地震後約半年、まだ復旧の途上
地震により「のとじま水族館」では施設内の水道管や飼育水の給排水管が損傷し、地面の陥没、ひび割れなどもあり、ほとんどの施設が被害に遭っていたといいます。
「地震当初は断水状態になっていて、できることが限られており、復旧作業にも影響が大きかった。飼育生物の命を守りつつ、復旧作業を進めることは難しく、今も作業は続いている」(加藤さん)
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復旧作業の結果、7月20日から「ジンベエザメ館」「本館」「ウミガメ・ペンギン館」「ペンギンプール」「トンネル水槽」などのコーナーは観覧可能になる予定。一方、ジンベエザメ、カマイルカ、カリフォルニアアシカの展示はまだないそうです。
現在、飼育設備が整った施設から避難生物の移動や採集などによる補充を行っているとのこと。
「イルカとアシカについては秋以降に戻ってくる予定。ジンベエザメ(飼育されていた2頭は地震により死亡)については漁業者に収集依頼をする予定だが、入手できるかは分からない」(加藤さん)
来館する人に向けては、中能登農道橋(ツインブリッジのと)が通行止めであることに加えて、水族館までの道路には片側交互通行や段差があるので車で来る場合は気を付けてほしい、と道路状況について重ねて注意喚起をしました。
7月4日には「いしかわ動物園」からマゼランペンギン8羽、5日には「富山市ファミリーパーク」からフンボルトペンギン8羽と、避難先の動物園から生き物たちが帰ってきています。動物たちに会うのが待ち遠しい人、来園で応援したい人なども少なくないと思いますが、事前の経路と道路状況の確認、余裕を持ったスケジュールを忘れないようにしたいですね。
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画像提供:のとじま水族館
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