ビックリマンチョコに負けじ「東近江を盛り上げたい」オリックス育成4位の茶野篤政が決意

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2023年01月28日 19:06  ベースボールキング

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「東近江を盛り上げたいと意気込む」育成4位の茶野篤政[写真=北野正樹]
◆ 猛牛ストーリー【第57回:茶野篤政】

 2023年シーズンにリーグ3連覇、2年連続の日本一を目指すオリックス。監督、コーチ、選手、スタッフらの思いを、「猛牛ストーリー」として随時紹介していきます。

 第57回は、育成ドラフト4位の茶野篤政外野手(23=徳島インディゴソックス)です。出身地の滋賀県東近江地域(東近江市、近江八幡市、日野町、竜王町)は今、ロッテの人気チョコレート菓子「ビックリマンチョコ」の限定シールをゲットできる周遊スタンプラリーに全国からファンが集まるなど、注目を集めています。

 今年は東近江市からプロ野球選手が2人も誕生。茶野選手は「ライバルのロッテに負けないよう、野球でも東近江を盛り上げたい」と意気込んでいます。


◆ オリックスとの不思議な縁

 「一軍で実績のある選手の方々から、いろんなことを吸収したいと思います」

 新人合同自主トレが終了した28日、茶野は声を弾ませた。2月1日から始まる宮崎キャンプの組分けで、Bグループからのスタートとなったが、T-岡田や杉本裕太郎、福田周平、小田裕也ら実力者との同組。学ぶことはたくさんある。


 滋賀県八日市市(現東近江市)生まれ。中京学院大中京高校(現中京高校)、名古屋商科大学、四国アイランドリーグplus(四国IL)の徳島インディゴソックスを経て入団した。1年間在籍した徳島では、打率.3164でリーグ首位打者に輝き、37盗塁はリーグ2位だった。

 高校、大学を通じて全国大会に縁はなく、大学4年の6月まではプロ入りを考えたこともない野球人生だったが、「人にも、運にも恵まれました」と振り返るようにオリックスとは不思議な縁があった。

 転機になったのは、大学の赤松幸輔コーチに誘われて観戦した四国ILの試合での徳島・村川凪の走塁だった。

 「お前ももう少し足を磨いて長打が出るようになれば、注目される選手になる」

 16年に四国ILの香川から育成2位でオリックス入りした赤松コーチの言葉にプロを目指す思いが芽生え、数カ月後には確信に変わった。40盗塁で盗塁王に輝いた村川が、DeNAから育成1位で指名されたのだ。

 「あの時の脚の速い選手だ。頑張ればプロにいける」

 指導を受けた徳島の岡本哲司監督も日本ハム、横浜(現DeNA)などを経てオリックスの二軍監督を務めたこともある。

 そしてプロスカウトの注目を集めたのも昨年6月15日のオリックスとの練習試合(大阪シティ信用金庫スタジアム)だった。「2番・左翼」で出場し、6回に4番手の宇田川優希には一ゴロに仕留められたが、適時内野安打、2ラン、右前打、中堅への適時二塁打。4安打4打点、1本塁打と大暴れし、盗塁も1つ決めた。

 「バットが下から出る癖がありストレートに振り遅れることがありましたが、レベルスイングでポイントを前に出すフォームに変えたことで打撃の感覚をつかめ、オリックス戦で結果を出すことが出来ました」

 オリックスの森浩二プロスカウト(現副寮長)は「走攻守の3拍子揃った選手。常に全力疾走を怠らず一生懸命、グラウンドを駆け回っているという印象。伸びしろがあり上を目指してほしい」と期待を寄せる。


◆ “ロッテ”に負けじアピール誓う

 出身地の東近江市を含む東近江地域では、今、ロッテのビックリマンチョコが全国から注目を集めている。地域には、発売45周年を迎えたビックリマンチョコを日本で唯一生産している「ロッテ滋賀工場」があり、ロッテと東近江観光振興協議会がコラボレーション。2月11日まで「ビックリマン限定BIGシール」が貰える周遊スタンプラリーを実施しており、ファンが集まっている。

 そんな東近江市から同時に2人がプロ入りした。中日7位の福永裕基内野手(26=日本新薬)。同じ旧八日市市出身で、中学時代には入れ替わりでの入団だったが、同じ「竜王ジャガース」で基礎を学んだ。

 東近江地区周辺では、彦根市に陸上の桐生祥秀や水泳の大橋悠依、日野町にはモーグルの伊藤みきら地元出身の五輪選手がいるものの、東近江市出身の著名なスポーツ選手は少ない。東近江市を表敬訪問した際には小椋正清市長から「地元出身のスポーツ選手として活躍をしてほしい」と激励された。

 竜王ジャガースの年始あいさつで顔を合わせた福永とも「東近江を盛り上げましょう」と互いの健闘を誓い合った。


 6月に対戦した宇田川はその後、支配下登録され、WBCに出場する侍ジャパンにも召集された。「球威もありすごい投手だと思いましたが、日本代表になるとは。ポジションは違いますが、育成として大きな目標になります」と茶野。

 自慢は、大学入学時の中村順司監督(元PL学園監督)が「いい走り方をしているね」とほめてくれた脚。「キャンプでは実戦形式の練習で、早く脚をアピールしたい」と意気込む。

 目標は1年目での支配下昇格。ライバル、ロッテのチョコに負けないような活躍で、注目を集めたい。


取材・文=北野正樹(きたの・まさき)

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  • ロッテの工場って国道8号線沿いのとこか。
    • イイネ!4
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