バイト先のゴルフ練習場でおじさん迷惑客を注意したらブチギレられ…助けてくれた意外な救世主とは?

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2024年05月09日 09:20  女子SPA!

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お店にとってありがたい存在なはずの常連客ですが、中には「自分はこんなに貢献しているのだから、多少のわがままは許されるだろう」という甘えから横柄な態度をとるようになってしまう人もいるようです。

今回は、そんなお客さんに困ってしまった女性のエピソードをご紹介しましょう。

◆ゴルフ場で話題の迷惑客

岩田佳純さん(仮名・36歳/主婦)は、都内にあるゴルフの練習場でアルバイトを始めて1年になります。

「週に2回しかシフトに入っていないので、最近になってようやく仕事も覚えられてスムーズに働けるようになり、常連さんの顔と名前もだいぶ一致するようになりました」

そして、そのゴルフ練習場のお客さんは優しい人ばかりなのですが、中には眉をひそめてしまうような迷惑客もいるそうで…。

「佐藤さん(仮名)という60代位の男性の常連さんがいるのですが、話によると、何年間か前から定期的にトラブルを起こしては、しばらくするとまた何食わない顔でまた来場するを繰り返しているそうなんですよ」

佳純さんが働き始めて間もない頃、佐藤さんが久々に訪れた時にバイト仲間達が「また来た!5ヶ月振りじゃない?」と軽く騒ぎになっているのを見て意味が分からずポカンとしていました。

「そしたら古株のバイトさんが今までに佐藤さんが巻き起こしたエピソードを詳しく教えてくれたんですよ」

◆教え魔のおじさん

佐藤さんはいわゆる“教え魔”で、若くて可愛らしい女性客を見つけると、頼まれてもいないのにスイングの指導をしては迷惑がられて問題になっていたそう。

「見かねた古株のバイトさんが注意しに行ったらブチ切れして来なくなり、数ヶ月後にまたしれっと現れたのが始まりだったそうで…。他にも佐藤さんの独り言がうるさくて、隣の席の男性客とつかみ合いの大喧嘩になったり、打ちきれなかったボールを勝手に持ち帰ろうとしたりと何度もやらかしているみたいなんです」

ですが佐藤さんは、ゴルフ練習場の社長の古くからの知り合いなので出入り禁止になることはありませんでした。

「古株のバイトさんが『教え魔になって、若い女性客に声をかける迷惑行為だけでも何度も繰り返してるっていうのに…。そりゃ社長はたまに佐藤さんと会って世間話するだけだからいいけど、しょっちゅう顔を合わせて問題おこすたびに注意しにいく私達の気持ちも考えて欲しい』とぼやいていて、本当にその通りだと思いました」

◆問題行動を目撃!

そんなある日、ついに佳純さんが佐藤さんの問題行動を目撃してしまいました。

「私が空いている時間に1階打席の掃除に行ったら、佐藤さんが人が少ないのを良いことにグリーンに勝手に入って落ちているボールを拾い集めて、自分の打席に持っていき鼻歌混じりに打ち始めたんですよ」

あまりのことに佳純さんはあぜんとしてしまったそう。

「まず、いくら空いているとはいえ他のお客さんが打っているなかグリーンに入るなんて、ボールが当たってしまう可能性があり怪我をするかもしれなくてとても危険です。

それにボールをきちんとお金を払って買わずに、誰かが使い終わったのを拾って打つなんて…。“それは万引きと同じでは?”と思った瞬間に私はもう佐藤さんに注意をしていたんですよ」

◆ブチギレる迷惑客に足が震えてしまい…

すると案の定、佐藤さんは烈火のごとくブチ切れました。

「すごい剣幕(けんまく)で『みんなやっているのに何で俺にだけ注意するんだ!他のやっていたヤツら全員に言ってからにしろ』と怒鳴られて、その想像以上の迫力に私は足が震えて動けなくなってしまったんです」

目を血走らせながら、明らかに正気を失った形相で力任せに怒りをぶちまける人間の持つ、独特の負のオーラみたいなものに佳純さんはただならぬ恐怖を感じたそう。

「私は幸い身近にそんな風に怒り狂うような人がいなかったので免疫がなかったのもありますが、自分めがけてそんな理不尽な怒りを放たれることがこんなにも怖いだなんて初めて知りました」

◆救世主、現る!

佐藤さんは、ボールの自販機を蹴ってはさらに佳純さんを威嚇してきました。

「そしたら、私のもとに20代後半位の女性のお客さんが走り寄ってきてくれて『自分が悪いくせに逆ギレするなんてみっともないのでやめてください。今通報するので、さっきと同じ言い訳を警察にもするといいですよ』とスマホをいじりだしたんですよ」

すると佐藤さんは「ふざけんな、俺は悪くないしそんな暇はねーんだよ!」とぶつぶつ言いながら自分の荷物をかき集めると逃げるように帰っていったそう。

「すると佐藤さんが退散したとたんに、周りで見ていたお客さんのおじさん達から拍手が起きて『あいつ最低だったな』『お姉さんかっこいいね』などと口々に言いながら集まってきて(笑)。さっきまで見て見ぬ振りしていたくせにとも思いましたが、まぁ普通にあんな状況は怖いですし、だからこそ彼女の勇気は凄いし本当に感謝だなと思いました」

◆とりあえず一件落着

佳純さんがその女性客にお礼を言っていると、おじさん客の1人も彼女に「男なのに頼りにならなくて申し訳ないね」と声をかけてきました。

「すると彼女が笑顔で『いや助けるのもリスクのある行為だから、男性だからって皆んながやらなければいけないとは思いませんよ。まぁ私はこんな性格なのでつい注意してしまうだけで』と言うと、さっそうと帰っていって…本当にかっこいいなと惚れ惚れしてしまいましたね」

そして、佐藤さんはまた来なくなりましたが「どうせ時間の問題で、またしばらくしたら何事もなかったかのように訪れるんだろうね」とバイト仲間達と話しているそう。

「私を助けてくれた女性のお客さんとはそれ以来あいさつを交わす仲になりました。そのうちまた佐藤さんが来場した際には、私も彼女みたいに毅然(きぜん)とした態度で接したいなと思っています」と微笑む佳純さんなのでした。
<文・イラスト/鈴木詩子>

【鈴木詩子】
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:@skippop

このニュースに関するつぶやき

  • 練習場の教え魔ジジイね。いるいる。本当に気持ち悪いんだよねアレ。誰だよ、お前ってね。しかしこの本文の助けに入った女性がかっこよすぎる。素敵すぎ!
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