最新規格「Wi-Fi 7」のメリットは? 6つのポイントでチェック【前編】

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2024年05月12日 17:40  Fav-Log by ITmedia

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出典:バッファロー

 Wi-Fi(無線LAN)ルーターを新調したり、パソコンやスマートフォンを購入する際には、Wi-Fiの各世代ごとの規格について理解していないと仕様の違いがよく分からないものです。最近は「Wi-Fi 6E」に続き、最新の「Wi-Fi 7」への対応をうたう製品も登場してきており、最新規格のメリットについて気になっている人も多いのではないでしょうか。

【画像】Wi-Fi 7の主要技術「MLO」のイメージ

 ここでは、Wi-Fi 7について知っておきたいポイントについて、前後編に分けて解説していきます。まず前編では、Wi-Fi 7の概要と、最大通信速度、主要技術の「MLO」についてチェックしていきましょう。

●日本でもWi-Fi 7が使えるようになった

 2023年12月22日、総務省の告示(2023年第426号、第427号)により、日本国内において実質的に米国電気電子学会(IEEE)の定める「IEEE802.11be(Draft 3.0以降)」規格での無線LAN通信、つまり「Wi-Fi 7」での通信が解禁されました。

 また、2024年1月9日(日本時間)には、Wi-Fiの規格を定める業界団体、Wi-Fi AllianceがWi-Fi 7対応無線LAN機器の認証プログラム「Wi-Fi CERTIFIED 7」を発表。これを受けて、同認証を取得した家庭用Wi-Fiルーター製品が市場に登場してきています。

 2024年にはパソコンやスマートフォンなどの上位モデルが続々とWi-Fi 7に対応してくる見込みです。Wi-Fi 7対応のルーターとデバイスがそろうことで、より速く安定した無線LAN通信が可能になるでしょう。

●最高通信速度は46Gbps

 Wi-Fi 6とWi-Fi 6Eでは、通信規格上の最大通信速度(理論値)は9.6Gbpsでした。最新のWi-Fi 7では、最大通信速度は46Gbpsにまで引き上げられます。単純計算で5倍近いスピードアップです。

 もちろん、現状では家庭向け光回線の通信速度自体が10Gbps程度ですので、Wi-Fi 7の環境を整えても理論値をフルスペックで活用できるわけではありません。しかし、既存のハイエンドWi-Fiルーターと比べて、Wi-Fi 7対応製品は実行速度でさらに数Gbps程度の高速化が見込めるポテンシャルを秘めています。

 最大通信速度の向上には、主に3つの新技術導入が関わっています。1つ目は、複数の通信帯域を束ねて利用する技術「MLO」の導入。2つ目は、通信に使用できる帯域幅が、従来の最大160MHzから最大320MHzまで広がること。3つ目は、より高度な変調技術である「4096QAM(4K-QAM)」の採用です。

 これらの新技術について、概要をチェックしていきましょう。

●複数帯域を同時に使った通信が可能に

 1つ目のMLOは、「Multi Link Operation」(マルチリンク機能)の略です。

 Wi-Fiでは、2.4GHz帯、5GHz帯、そしてWi-Fi 6EやWi-Fi 7で利用できる6GHz帯という複数の周波数帯域が利用できるようになっていますが、接続時にはデバイスは基本的にはその中の1つだけを選んで接続する仕組みになっていました。

 MLOに対応したWi-Fi 7 ルーターでは、2.4GHz/5GHz/6GHz帯から複数の周波数帯とチャンネルを使って同時に送受信できるようになります。自動的に最適な周波数帯が選択されるので、より高速で安定した通信が見込めるわけです。ユーザー視点では、接続するSSIDを選択する際に、使用周波数帯を意識せずに済む場合が増えると言えます。

後編に続く

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