【陸上】迷う進退、揺れる胸中…34歳のハードラー寺田明日香「ふわっと辞めていくのは心残り」

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2024年09月13日 22:22  日刊スポーツ

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陸上イベント「東京2025世界陸上 1 Year To Go!」に参加した女子100メートル障害の寺田(撮影・藤塚大輔)

日本女子ハードル界を引っ張ってきた寺田明日香(34=ジャパンクリエイト)が、現役続行への揺れる胸中を明かした。


来年9月開催の世界選手権東京大会まで1年となった13日、都内で行われたイベント「東京2025世界陸上 1 Year To Go!」に出席。今季限りでの引退を示唆したこともあったが「来年の世界陸上を目指せたらいいなと少しずつ思い始めた」と心境の変化を口にした。


31歳で迎えた東京オリンピック(五輪)に初出場し、世界選手権には09年ベルリン大会から3度出場。近年は今夏のパリ五輪を目指してきたが、左アキレス腱(けん)痛の影響もあり切符獲得には届かなかった。「シーズンインしてからなかなか体の調子が上がらず、痛みも取れずに日本選手権までいってしまった」。回復する気配が感じられず「あぁ、今日も治っていない」と心が晴れない日々が続いた。


2度目の五輪への出場がかなわず、胸にはやり残した思いもある。東京五輪は無観客での開催となり「見てもらえなかった方々がたくさんいた」と回顧。自国開催となる来秋の世界選手権へ「このままふわっと辞めていくのは心残りになると思う。いろいろな方へ感謝を伝えきれていない。感謝をどう表現するのかを考えている中で、世界陸上を目指すのもあるのかな」と心は揺れている。


長女の果緒ちゃんら家族からは「辞めてほしくない」と素直な声も届く。お世話になった人からも「辞めちゃうの?」と声をかけられる。道に迷うのは、支えてくれた人がいるからこそだ。


「たくさんの方に見てもらう機会をつくって辞めたいと思う。選手のクオリティーを出すためにも、世界陸上を目指しながら体づくりをしていくことも必要かなと思えてきている」


ハードルへの思いは再燃し始めている。時間をかけて、進退を決める。【藤塚大輔】

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