アルピーヌのミック・シューマッハー、F2時代以来の表彰台に歓喜「とても楽しかった」/WEC富士

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2024年09月15日 21:20  AUTOSPORT web

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WEC富士で表彰台を獲得したミック・シューマッハー(アルピーヌ・エンデュランス・チーム)
 アルピーヌ・エンデュランス・チームから2024年シーズンのWEC世界耐久選手権に参戦しているミック・シューマッハーは、9月15日に行われた第7戦富士のレース終盤に表彰台を争うバトルを展開。ハーツ・チーム・JOTAのノルマン・ナト(12号車ポルシェ963)をかわし3位を手にしたあと、トップ3に入るための戦いが「とても楽しかった」と語った。

 今年WECのハイパーカークラスにデビューしたシューマッハーは、同じく今季よりシリーズに投入されている新型LMDhカー『アルピーヌA424』の36号車をニコラ・ラピエール、マシュー・バキシビエールとシェアしている。彼らのこれまでの最高位はサーキット・オブ・ジ・アメリカズで行われた前戦オースティンでの9位で、アルピーヌ全体でも5位が『A424』でのベストリザルトだった。

 富士スピードウェイで行われた、第7戦で記録された総合3位という結果は、2台のLMDhマシンを運営するアルピーヌ・エンデュランス・チームにとって初の表彰台となったと同時に、シューマッハーにとってはタイトルを獲得した2020年のFIA F2ソチ・ラウンド以来、すべてのカテゴリーで最初のトップ3フィニッシュとなっている。

「本当に接戦だったし、WECでの戦い方に自信がついてきた」とシューマッハはレース後、集まった記者団に語った。

「こんなにハードな戦いだとは思っていなかったが、マシンはかなり頑丈で、カートの古き良き時代に戻ったようだ」

「バトルはすごく楽しかった。ポディウムに立つのは久しぶりで、もうどうしたらいいか分からないくらいだった! 本当に時間が掛かったけれど、めちゃくちゃハッピーだよ!」

■最悪のスタート。予選は15番手に沈む

 6時間レースの終盤に見ることができたシューマッハーとナトの3番手争いは、アルピーヌが最後のピットストップで2本のニュータイヤを装着していたことと、JOTAが良いトラックポジションを得るため2台のポルシェ963をタイヤ交換せずにコース復帰させたことが、前者に有利な状況を作った。

「左側にニュータイヤを履いていたから、その分タイヤのアドバンテージがあることはわかっていた。だから、僕たちのクルマが正しいポジションに着くのは時間の問題だった」とシューマッハは付け加えた。

「最終スティントで新品タイヤを4本を入れてきたプジョー(93号車/プジョー・トタルエナジーズ)のペースが良かったので最後は少し不安だったけど、うまくコントロールできた。チームは素晴らしい仕事をしてくれたし、本当にハッピーになれる結果だ」

 なおシューマッハは、彼ら36号車のクルーが姉妹車である35号車のペースに及ばなかったことを認めた。シャルル・ミレッシ、ジュール・グーノン、フェルディナンド・ハプスブルクがドライブしたもう一台のアルピーヌは、最後の1時間でLMGT3カーとの接触によりドライブスルー・ペナルティを受けるまで、少なくとも3位以上の結果を得られそうだった。

「僕の考えでは、この週末は今年最悪のクルマでスタートした」と25歳のドイツ人ドライバーは語った。「全然自信が持てなかったんだ。35号車のほうが少し良く見えたが、僕たちの36号車はなぜか苦戦していた。(2台の)ペースを見ればそれは明らかだった」

「だから、まだやるべき課題は残っている。何かどのように違っていたのかなど、僕たちの側で調査する必要がある」

■“事件”の責任を認めるミレッシ

 トップ3以上のリザルトが期待できる好位置につけていながら、チャーリー・イーストウッド駆る81号車シボレー・コルベットZ06 GT3.R(TFスポーツ)との接触により35号車がペナルティを受けたことについて、ミレッシはその責任を素直に認めた。

 最終コーナーで起きたこのアクシデントを振り返り、彼は次のように述べた。「僕としては何もできなかった。彼は左、右、左、右と動いていて、どこに向かっているのか分からなかったんだ。内側に入ろうとしたが、彼は最後の瞬間に動いた」

「それでも彼にぶつかったのは僕の責任なので、ペナルティを受け入れなければならない。起こったことに対して少し厳しいが、結局は僕がミスを犯し、表彰台を逃すことになった」

 ミレッシと35号車のチームメイトたちは、ハプスブルクが巻き込まれて順位を下げることとなった2周目の大混乱のあと、ふたたび上位争いに復帰していた。

 予選で6番手につけた35号車について、「週末の初めからペースが良かった」とミレッシは語った。「本当に力強いペースがあり、そのおかげでトップ争いに返り咲くことができた。クルマはオースティンよりも良かったんだ」

「36号車が表彰台に上がれたのは、チーム全員にとって良いことだ。次は自分たちも表彰台を獲得できることを願っている」

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